大阪人にとっての“夏のおやつ”といえば、「北極アイスキャンデー」。1945(昭和20)年から大阪・難波の戎橋筋商店街に店を構える「北極」で製造・販売される、手作りアイスです。子どものころ親に買ってもらったり、学生時代の恋人と一緒に公園で食べた、なんて人も多いのではないでしょうか。
今も昔も、多くの人々から愛される北極アイスキャンデー。当時の大阪・ミナミの様子や長年変わらない商品について、同店の久保田さんに話を聞きました。
―――店名の由来は?
【久保田さん】 詳しい由来はわかっていないのですが、“冷たいイメージ”から名付けたそうです。
―――創業当初からアイスを販売していた?
【久保田さん】 父が創業した当時は、アイスを専門としていました。しかし、最近知ったのですが、創業前はぜんざいを販売していたそうです。ただ、ぜんざいだけでは夏の売り上げが落ちてしまうと考えたことから、ぜんざいを凍らせてアイスを作りはじめたのだとか。つまり「北極」は、“ぜんざい”がルーツのアイス屋なんです。現在も、素材にこだわったあずきを豆から炊いているので、まるでぜんざいをそのまま凍らせたような味・食感になっています。
―――創業当時のアイスの種類は?
【久保田さん】 当初は「あずき」「ミルク」「パイン」の3種類でした。その後、「いちご」や「オレンジ」などが追加されていきました。当時から製法はほとんど変わっておらず、今でも一つひとつ職人さんの手作りで製造されています。
―――当時、材料などの甘いものはすぐに手に入った?
【久保田】 配給の時代だったので、材料はなかなか手に入りにくかったそう。創業翌年に「ココア」が追加されたのですが、戦後で材料が手に入らなかったことからアメリカの進駐軍から原材料を輸入していました。