SDGsにつなげる“冷凍白いちご” 食品ロス問題に取り組む兵庫の企業 持続可能な食の循環目指して | ラジトピ ラジオ関西トピックス

SDGsにつなげる“冷凍白いちご” 食品ロス問題に取り組む兵庫の企業 持続可能な食の循環目指して

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 世界で栽培・生産された全食品のうち、約40%にあたる25億トンが1年間で廃棄されている。世界的に深刻な問題として認識されるようになって久しいこの『食品ロス』は、SDGsはもちろん、環境の観点でも大きな問題と言える。増加すると、埋め立て処分場の不足や廃棄物処理の費用増大など廃棄物処理問題を生むとともに、焼却処理に伴うCO2排出にも直結するからだ。

 そんな食品ロス問題の解消に向け、積極的な取り組みを進めている企業がある。その一つに「白いちご」の栽培や販売の工夫もあるという。兵庫県尼崎市に本を置く、廃棄物処理業の浜田化学株式会社(兵庫県尼崎市)の田中怜菜さんに、同社独自の取り組みなどについて聞いた。

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 SDGsの目標達成に向けた組織に「関西SDGsプラットフォーム」(会員数1,977団体、2023年8月22日現在)がある。関西の民間企業や団体、大学・研究機関、自治体・政府機関などが参画るしており、浜田化学の田中怜菜さんによると、同社はその「食品ロス削減分科会」に参加しているとのこと。

「企業だけだと考えつかないアイディアを学生の方が思い付いたり、実行するために自治体が協力してくださったりと、様々な業界が加わることで視野が広がり、パートナーシップを生かして動いている」(田中さん)

 同分科会は、通称「ZERO FOOD WASTE」の通り、食に関するロスをゼロにすることを目的に活動している。たとえば、毎月交流会を開催し、食品ロス削減に取り組むゲストスピーカーの事例発表を聞く勉強会を実施したり、食品ロスについて発信するイベントを企画したりしている。

分科会では活発な議論が行われる ※写真はイメージです
分科会では活発な議論が行われる ※写真はイメージです

 廃食用油の回収が主な事業の同社が、同プラットフォームに入会した背景について田中さんは、「“食品廃棄”にあたる廃食用油のリサイクルについて、分科会活動を通して広く知ってもらうことももちろんある」とした上で「農業や飲食業での弊社の取り組みを含め、食品・飲食業界全体を通しての『食の循環』を提案していきたい」と述べた。

 その一つが、食の循環に関わる取り組みとしての飲食店事業。自社での飲食店経営を通して、人員確保や食品ロスなど、廃食用油回収の顧客である飲食事業主の困りごと直に理解し、自分たちが実践した解決策やノウハウを顧客に還元したいとの思いがあるという。また、飲食店は3年で約8割が閉店するとされていることから、出退店の繰り返しによる環境への負荷も解決、持続可能な業界を目指しているのだそう。

 さらに田中さんは、「農業事業では『白いちご』の栽培も行なっています。廃食用油や食品廃棄を活かした農業を実践し、環境への負荷を減らしながら『テーブルtoファーム、ファームtoテーブル』という食が循環する仕組みを作っています。このノウハウや思いを、もっと広げていきたい」と展望を語った。

冷凍白いちご「淡雪」(提供:浜田化学)
白いちご「淡雪」(提供:浜田化学)
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