「ディープな街で知った、市民との一体感」稲村和美・前尼崎市長が語る 暴力団事務所ゼロ!尼崎の挑戦 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「ディープな街で知った、市民との一体感」稲村和美・前尼崎市長が語る 暴力団事務所ゼロ!尼崎の挑戦

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 街づくりは難しい。独りよがりでは成し遂げられない。

 兵庫県尼崎市。暴力団の対立抗争や違法風俗街のイメージがつきまとっていた人口約46万人の街が、変貌を遂げた。

尼崎市役所

「尼崎市の挑戦、ではなくて尼崎の挑戦なんです」。11月6日、神戸市内で開かれた講演会で強調した。

 住民、行政、警察などが一体となったからこそ言える。そう話すのは稲村和美氏。2022年12月まで、尼崎市長を3期12年務めた。

稲村和美氏が語る「尼崎の挑戦」<2023年11月6日 神戸市中央区>

 大阪生まれの奈良育ち。しかし、兵庫・神戸には特段の思いがある。神戸大学在学中に起きた1995年の阪神・淡路大震災の衝撃は大きい。ボランティア活動を通じて政治への道を志す。

 市外局番の「06」を使う尼崎。文化経済圏では大阪寄りかも知れないが、「兵庫の東の玄関口」と稲村氏は表現する。

◆地層の厚い街、尼崎で…

 尼(アマ)には尼(アマ)の良さがある。稲村氏は、尼崎市を「地層の厚い(ディープな)街」と話す。戦後の闇市から発展した繁華街、高度経済成長を担った阪神工業地帯の中核としての地位、公営ギャンブルの開催…賑わいや活気、税収をもたらした半面、暴力団がはびこる温床だったことは否めない。

◆課題解決先進都市

 白井文(あや)・前市長時代から足かけ20年で、市の財政難を切り抜けた。あとはいかに体力のある、健康体な街にできるのか、街のイメージが“怖い”」と誤解されているなら、そこから目を背けずに対応する日々でもあった。直面する課題が他よりも多い、「課題解決先進都市」だったからこそ、前例にとらわれず、課題を意欲的に、先駆的に解決する、”課題のない都市には目指せない”ことに取り組んだ。

 課題が個別化、複雑化、多様化するにしたがって、行政だけでは解決できないことも浮上するようになった。

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