宿場町のリュクスな一棟貸し古民家 職人の匠を生かしつつリノベ 地域の魅力知る拠点に 兵庫・平福 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

宿場町のリュクスな一棟貸し古民家 職人の匠を生かしつつリノベ 地域の魅力知る拠点に 兵庫・平福

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 全国各地で、古民家の利用促進のための取り組みが行われています。空き家対策の側面から、各自治体で移住希望者とのマッチングが行われているほか、カフェなどの店舗や宿泊施設に生かされている例もあります。今回は、兵庫県佐用町の宿場町・平福にある宿泊施設「NIPPONIA平福宿場町」を取材しました。

「NIPPONIA 平福 宿場町」外観
「NIPPONIA 平福 宿場町」

 同施設を手がけるのは、古民家の有効活用事業を組織的に展開している株式会社NOTEです。同社は事業を「NIPPONIA」と銘打ち、リノベーションした古民家を宿泊施設として運営。現在、北海道から九州・沖縄にかけての19の道府県で活動を進めています(2023年11月時点)。

 兵庫県内にも9か所の施設があり、その一つが、旧木村酒造場の母屋だった旧木村邸をリノベーションしたNIPPONIA平福宿場町です。

 建築年に関しての詳しい資料は残っておらず、専門家の意見によると大正から昭和初期にかけて建てられたと考えられるとのこと。「日本の原風景を体感してほしい」と思いで、改修にあたって各部屋の間取りや趣きはそのままに新しさも取り入れ、一日一組限定の一棟貸し宿泊施設としました。

 同施設の代表取締役・四方田康次(よほだこうじ)さんは、改修工事は「思っていたよりも大変だった」と言います。建物の確認で現地を訪れたときは、「本当に人が住めるように再生できるのか」と感じるほど酷い状態だったそうです。

 幸い、建築当初の貴重な和ガラスやふすまは残っていたため、そのまま生かすことにしたといいます。今となっては再現するのが難しい巧みな職人技が用いられた、古民家の良さ伝える歴史的建築です。

 各部屋の家具にもこだわったそうで、たとえばリビングに置かれた大きな机には、酒蔵で使われていた樽が再利用されています。

 また、風呂場にも、“宿場”として違和感のない趣向を凝らしたといいます。水回りは改修・改築で難点が多いと言われる中、同施設ではヒノキ風呂を増築することに。風呂場では、落ち着きのあるヒノキの香りが宿泊者を迎えます。四方田さんによると、ヒノキは肌触りが良い上に調湿効果もあるため、浴室の快適な湿度を保てるとのこと。快適性も鑑みた選択でした。

ヒノキ風呂 雰囲気を体験した番組パーソナリティの谷五郎
ヒノキ風呂 雰囲気を体験した番組パーソナリティの谷五郎

 加えて四方田さんは、このヒノキ風呂に関して「どうしてもしたいこと」があったそう。それは、“浴室の窓を開ければ中庭が見えるようにする”こと。湯船に浸かると、いわゆるインフィニティ風呂になるのだとか。「どうしても露天風呂感を出したかった」と、強いこだわりを明かしました。

 住まいとしての風情を残す古民家を活用した宿泊施設は、暮らすように滞在する中で、その地の歴史・文化を味わう拠点になると言えそうです。

写真右:NIPPONIA平福宿場町 代表取締役 四方田康次さん、左:番組パーソナリティの谷五郎
写真右:NIPPONIA平福宿場町 代表取締役 四方田康次さん、左:番組パーソナリティの谷五郎

※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』より

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