兵庫・湯村温泉で野菜・卵の「湯がき体験」練乳は生キャラメルに 玉子サンドキットや珍しい温泉洗髪も | ラジトピ ラジオ関西トピックス

兵庫・湯村温泉で野菜・卵の「湯がき体験」練乳は生キャラメルに 玉子サンドキットや珍しい温泉洗髪も

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 大阪・関西万博の開催に合わせて兵庫県で展開される「ひょうごフィールドパビリオン」。その一環として、兵庫県美方郡の湯村温泉では、温泉地ならではの自然エネルギーを活用したSDGs体験型地域プログラムが実施されています。

 同温泉では約1200年前の開湯以来、98度という高温の源泉が1分間に約470リットル湧出している「荒湯(あらゆ)」があり、昔から続く温泉文化が暮らしに根付いています。

 プログラムでは、高温の湯つぼで卵や山菜、野菜などをゆでる、地元の「湯がき文化」を体験。町内でネットに入った卵や野菜(サツマイモやトウモロコシ)などが購入できるので、手ぶらで訪れても子どもから大人まで気軽に楽しめます。

温泉で湯がくことで、野菜のえぐみや苦みが和らぎ、甘みが引き立つという(提供:湯村温泉観光協会)
温泉で湯がくことで、野菜のえぐみや苦みが和らぎ、甘みが引き立つという(提供:湯村温泉観光協会)

 湯村温泉観光協会会長の朝野泰昌さんによると、温泉で湯がくと、温泉に含まれる重曹成分が野菜のえぐみや苦みを和らげて、本来の甘みを引き立ててくれるのだとか。また、湯がいた卵でサンドイッチを作る “玉子サンドキット”は、若い人を中心に人気があるのだそう。ほかにも、練乳の容器をそのまま荒湯に数時間つけておくだけで生キャラメルが作れるというのも驚きです。

湯つぼに漬けてから約10~12分でゆで卵に!(提供:湯村温泉観光協会)
湯つぼに漬けてから約10~12分でゆで卵に!(提供:湯村温泉観光協会)

 湯がきあがるまでは、春来川(はるきがわ)沿いに設けられた足湯でくつろぐこともできます。こちらの足湯は、天然かけ流しなのだそう。朝野さんは「湯がき終わるのを待つ間、地元の人と膝を突き合わせて語らうのも荒湯ならではの楽しみ方です」と教えてくれました。

 湯村温泉では、“温泉”は社会や文化面でもとても重要な存在。約1200年前から荒湯は町の台所や洗濯場でもあり、朝昼夜と人々が集まる場所でした。そして今も、町の人たちが荒湯を台所のように利用しています。昔は子供が生まれるときに、荒湯の湯をうぶ湯として使用したり、地熱洞で洗濯物を乾かしたりしていたそうです。そういった環境や文化についても興味を持ってもらえたらうれしいと、朝野さんは話します。

湯けむりが立ち昇る高温の湯つぼ。約1200年前から町の台所として利用されている(提供:湯村温泉観光協会)
湯けむりが立ち昇る高温の湯つぼ。約1200年前から町の台所として利用されている(提供:湯村温泉観光協会)

 同地域では、温泉と温泉熱をサステナブルなまちづくりに活用しています。例えば、源泉周辺にある温泉旅館では電気やガスを極力使わず、温泉熱を冷暖房に活用。昔からCO2を出さない取り組みが自然と行われていて、それが脈々と受け継がれているのです。

 また、このエリアではほとんどの家庭の蛇口からも温泉が出るため、お風呂はもちろんのこと、炊事や洗濯、雪をとかす水などに温泉を使っています。エネルギーや水の節約につながるだけでなく、泉質により洗濯の汚れが落ちやすくなったり、肌あたりも良く保湿保温効果も期待できたりするのだそう。町内の理髪店や美容院では「温泉洗髪」という珍しい体験もでき、頭皮がすっきりするという声も。

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