【兵庫・赤穂】築140年の古民家カフェ 店主を魅了した“歴史の語り部” 人々が憩うやすらぎの場に | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【兵庫・赤穂】築140年の古民家カフェ 店主を魅了した“歴史の語り部” 人々が憩うやすらぎの場に

LINEで送る

この記事の写真を見る(2枚)

 近年各地で増えて人気も高まっている「古民家カフェ」。この時季、旬のかきを求めて多くの人が訪れる兵庫県赤穂市内にも、地元や観光客から愛される古民家カフェがあります。築約140年の古い建物を活用した店は、オープンまで3年もの歳月を費やしたのだとか。オーナーの門田守弘(もんだ もりひろ)さんに、その情熱の源を聞きました。

 赤穂市の東部に位置する坂越(さこし)地区。旧坂越浦会所の近くにたたずむのが「くつろぎの縁側 優・優」(以下、優・優)です。

「くつろぎの縁側 優・優」
「くつろぎの縁側 優・優」(兵庫県赤穂市)

 門田さんは、のちに自身の店となるこの古民家と出会った時、歴史ある場所に心を打たれて「どうしてもここで“何か”をしたい」と強く思ったそう。なぜならその古民家は、1881(明治14)年に建てられて以来、坂越の移り変わりをずっと見守り続けてきた存在だったからです。

 海が近い坂越一帯には古くから漁師が多く住んでおり、江戸時代には塩廻船の出港地としても栄えました。それにより、船主の住宅や寺院、浦会所(行政や商業などの事務をとるための村会所)が軒を連ねるようになったのです。今も残る当時の町並み。のちにカフェとなったこの家も歴史の語り部です。

 古民家を気に入った門田さん。使用許可は意外にすぐに得られたそうで、門田さんは「地元の人たちの憩いの場、観光客の休憩の場となるようなカフェを始めよう」と考えました。

 ところが、ここからが大変な道のりでした。

 築140年ともなれば、当然補強工事が必要です。ガラス戸や天井は使えても、壁や床など他の部分に、耐震面で大きな問題があることが分かりました。どうすれば古民家の良さをそのままにしっかりと補強できるのか、専門家と話し合った結果、床下で問題のある箇所全てに防振金具を付けるなどしました。開店までの作業の中で、これが一番大変だったそうです。

 結局、店をオープンするまで3年もの月日を要しました。それでもなおその古民家でカフェを開きたかったのは、「赤穂の歴史を、勇姿を見てきた建築物でやすらぎの場を作りたい」との思いが強かったからでした。

 門田さんの思いは店名にも映し出されています。「坂越に行ってみたい」「来てみてよかった」「住んでみたい」と思ってもらえるような“優しい場”にしたい……。

 ランチやカフェのメニューには、地元赤穂や兵庫の食材がふんだんに使われています。コーヒーには、神戸の老舗「萩原珈琲」の豆を使用。門田さんが自らドリップして提供しています。

優・優で提供されるコーヒー
優・優で提供されるコーヒー

 店の窓から外を眺めれば、目に映るのは風情ある坂越の街並み。散策途中の休憩は、赤穂の歴史に思いを馳せるひと時にもなりそうです。

※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』より

LINEで送る

関連記事