阪急電鉄京都線の大阪梅田~京都河原町間で、「特急」「通勤特急」「準特急」の座席指定サービス車両『PRiVACE(プライベース)』が、7月21日に運行を開始する。
ネーミングは“PRIVATE(プライベート)”と“PLACE(プレイス・場所)”を掛け合わせた。
足元の前後スペースや座面を広くするなど、座り心地を追求した3列シートが特徴。計40席の床面にはカーペットを敷いた。”マルーン”という阪急電車独特の、栗色ともあずき色とも言える紫がかった伝統カラーの車体に、ゴールドのラインを施して上質感を醸し出した。1時間当たり2~3本運行(2025年には4~6本に)、大阪梅田方面から4両目、中央の扉から乗車する。京都線の新型特急車両2300系車両と、同線で主に特急系車両として運行されている9300系の一部が対象。阪急の車両のモデルチェンジは2013年以来11年ぶり。
また、「疾走感」を演出するため、前面の窓ガラスに曲線を取り入れた。内装は、木目調の化粧板やゴールデンオリーブ色(深緑色系)の座席といった阪急の伝統を踏襲する。
このほか、子ども用座席として、障がいの有無に関わらず様々な子どもが使える「ポータブルチェア」の貸し出しが利用できる。鉄道会社では初の導入となる。サービス運行にあたって小さな子連れ家族の移動時間をより快適なものにするための試みとなる。利用方法は、ポータブルチェア利用可能座席(4B・4Cおよび5B・5C)を指定予約し、乗車の際に専属アテンダントに申し出て座席に設置できる。乗車時には利用する子どもと隣同士で座る必要がある。
6月に京都河原町で行われた座席体験イベントには多くの人々が訪れた。
兵庫県芦屋市の30代の女性は、7歳(小学1年)の長男と4歳の次男を連れて体験ブースに。「2人とも電車が大好き。休みのたびに電車でお出かけしています。お財布に余裕があるときはプライベースを利用するのもいいかも。ワンコイン(500円)でゆったりできそう」と話した。
大阪府高槻市の20代の会社員の女性は「20分あれば大阪梅田まで行けるのですが、通勤ラッシュから解き放たれたいときは“自分へのごほうび”に」、京都市中京区の11歳(小学5年)の男の子は「座り心地が良くて、ついウトウトしてしまいそう」と笑った。