斎藤元彦・兵庫県知事のパワーハラスメント疑惑を告発した文書をめぐる問題で、その内容を審議する兵庫県議会の「百条委員会(文書問題調査特別委員会)」が今後、本格化する。
百条委は8月以降、1か月に2回程度開催される見込みで、告発された▼“職員の限界を超える”とされるパワハラ疑惑▼“おねだり”とされる地産品などの催促▼2023年のプロ野球優勝パレードに関する公金の違法支出疑惑など斎藤知事や側近の県幹部らに関する7項目について調査を進める。斎藤知事はいずれも否定している。
斎藤知事に関する告発文書には、情報源は記されているものの、あくまでも告発者である元県民局長の男性(7月7日に死亡)の伝聞情報であることから、事実関係の解明が求められる百条委にとって、証人尋問と証拠資料の信ぴょう性が鍵を握る。証人尋問は8月下旬から始まる見込み。まず、知事のパワハラ疑惑に関しての尋問があり、9月以降はその他の疑惑について予定されている。
19日に開かれた第3回百条委では、男性の遺族から寄せられた陳述メモや音声データが資料として採用されることが決まった。また、証人尋問の対象となる対象者の心理的な負担を軽減するため、非公開で開催するなど配慮を求める意見もあった。
さらに、県職員約9700人を対象にアンケート調査を実施する。パワハラや物品催促を見聞きしたかどうかをインターネットで8月上旬までに回答を求めるという。記名するかどうかは自由。調査の集計や管理は外部の調査機関に委託する。これらの調査報告を12月までにまとめるとしている。それらも踏まえた上で、現時点で50人以上とされている証人の数を相当数に絞り込む可能性が高い。