堪えきれないほどの猛暑が続いている今夏。室内外の温度差で自律神経が乱れやすく、普段より疲れを感じやすい人もいるかもしれません。そんな疲弊した体を、科学的な根拠をもって健康に導くプログラム「森林セラピー」をご存じでしょうか。
兵庫県宍粟(しそう)市は、2015(平成27)年3月に兵庫県内で唯一、NPO法人「森林セラピーソサエティ」(東京都千代田区)から“森林セラピー基地”(※)に認定されました。「宍粟市癒しの森ガイドの会」の案内により、3つのコースで本格的なセラピーを体験することができます。※健康増進やリラックスを目的とした包括的なプログラムを提供している地域、全国に約60か所。
「森林浴」は聞き慣れた言葉のような気がしますが、「セラピー」は森林浴とは違うのでしょうか?
「森林セラピーとは、森林浴より一歩進んだ、科学的に効果の証明されたプログラムです」と教えてくれたのは、宍粟市癒しの森ガイドの会会長の安原さん。安原さんは、森の中で五感を研ぎ澄ますことにより、免疫力のアップも期待できると話します。
例えば、土を踏む感覚や落ちている枝を踏む感覚、落ち葉を踏みしめることで鳴るザクッザクッという音や、ふわっと香る匂い……。さらに、素晴らしい景観によって視覚も刺激されます。都会の生活で鈍っていた五感が、森の中を歩くことで目覚めていくのだそう。
そんな森林セラピーの前後には、今の自分の心や体の状態を知るためのストレスチェックを行うのだとか。プログラム体験の前後ではストレス値にかなり変化があるそうで、さすが科学的に効果が裏付けられたプログラムと言えます。
宍粟市にある3コースの中でも、兵庫県立国見の森公園内の「国見の森セラピーロード」には大きな特徴があります。