淡路島(兵庫県)の特産品といえばタマネギ。そんなタマネギが、抗酸化作用のある成分を多く含むことに注目し、昨年11月、淡路島産のタマネギを使ったコスメブランドが誕生しました。淡路の地域も盛り上げたいという思いで手がけた化粧品会社の代表に、ラジオ関西の番組で開発秘話を聞きました。
淡路島産のタマネギを使った化粧品を開発するのは、兵庫県南あわじ市の化粧品会社で代表を務める、齋藤千明さんです。
昨年11月からスタートしたばかりのコスメには、タマネギから独自に抽出した「オニオン水」を水代わりに使っているとのこと。
タマネギには、ポリフェノールの一種で抗酸化作用のある成分「ケルセチン」や、最近発見された「超硫黄分子」が豊富に含まれていることから、「肌が老化する3大要因のひとつ“酸化”に効果があるのでは?」と考え、開発に至ったそうです。使用しているタマネギは、通常のタマネギと比べて1.5倍もケルセチンを多く含む、厳選した淡路島産のタマネギ「ケルたま」です。
タマネギを使っている、と言われると気になるのはタマネギのにおいがするのかどうか。齋藤さんによると、「ジャスミンや白檀など天然のアロマを調合して、タマネギの香りはだいぶおさえています」とのこと。
齋藤さんは、淡路島のタマネギ農家に生まれ、幼いころから農業に携わってきました。就職で県外に出たことで淡路の魅力をあらためて感じ、2022年には、淡路島の観光大使「第42代クイーン淡路」を務めた経験も。さらに、兵庫や淡路の魅力を発信したいと感じ、南あわじ市に化粧品会社を設立。オニオンコスメを開発しました。
齋藤さんは「タマネギは“食”というイメージがやっぱり強いですが、美容というジャンルで、タマネギを、一次産業全体を盛り上げていけないかなと思ったのが誕生の裏側なんです」と明かします。
使用するのは、型崩れや規格外のタマネギ。提携するタマネギ農家からは、「廃棄するのにも焼却コストがすごくかかる。タマネギの皮を捨てるのにも、燃やすと環境に悪かったりするなど、そこへの投資する費用がかかる。それ(コスト)が浮いたので、すごく助かっている」という声もあったそう。齋藤さんの取り組みは、廃棄を減らすなど、タマネギの効率的な利用にもつながっています。