岡山県北部では11月24日(日)まで、国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」が開催されています。このたび、アート作品の鑑賞を軸に、奈義町と津山市を訪れ、観光やグルメを満喫した旅のレポートをお届けします。今回は奈義町編です。
国際芸術祭の開催エリアは、岡山県北部の12市町村。津山市、高梁市、新見市、真庭市、美作市、新庄村、鏡野町、勝央町、奈義町、西粟倉村、久米南町、美咲町と、広範囲にあたります。
そのうち、津山市の津山城周辺エリアとグリーンヒルズ津山エリア、新見市の満奇洞・井倉洞エリア、真庭市の蒜山エリア、鏡野町の奥津エリア、そして奈義町の奈義町現代美術館周辺エリアの5つの市町で、アート作品が展示されています。
神戸から奈義町までは車で2時間ちょっと。到着したのは、まちのランドマークでもある、奈義町現代美術館です。入ってすぐの部屋にグラスが並んでいる同館では、常設展とともに、「森の芸術祭 晴れの国・岡山」の作品が展示されていました。
グラスの中の水に3Dプリンターで雲を浮かべているAKI INOMATAさんの作品。小さなグラスの中に自然を感じられる作品でした。こっそり聞きましたが、飲んでも大丈夫だそうで、“飲める彫刻”なんです。
その奥の大地の部屋には、坂本龍一さんと高谷史郎さんによるビデオ&サウンドインスタレーション作品が。水の流れを映し出す映像と笛の音が相まって、心地よい空間になっていました。
昨年の夏頃に中国で発表されたこの作品は、昨春に他界された坂本龍一さんの最後の作品とも言われています。常設されている宮脇愛子さんのオブジェとともに、いつまでも眺めていられる作品です。ちなみに、宮脇愛子さんは、この奈義町現代美術館を設計した磯崎新さんの奥さま。磯崎新さんの過去の制作資料や模型を見ることができます。
図書館の談話室には、サンドラ・シンドさんの制作途中の作品がありました。タイルを貼ったテーブルが展示されていて、今後子どもたちに絵を描いてもらい、それを元にタイルの作品として壁面に埋め込んでいくとのこと。アーティストと子どもたちとのコラボなんですね。
その他、不思議な空間の作品もあって、現代美術館の名のとおり、アートの概念が変わる美術館でした。