玄米煎餅が看板の兵庫・姫路の老舗メーカー 能登半島地震被災者にメッセージ添えた菓子贈る取り組みも | ラジトピ ラジオ関西トピックス

玄米煎餅が看板の兵庫・姫路の老舗メーカー 能登半島地震被災者にメッセージ添えた菓子贈る取り組みも

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 健康志向が高まっている昨今、普段口にするものにはできるだけこだわりたい、という人も多いのではないでしょうか。食事だけでなく、おやつなどにも気を使いたいと考える人も増えているようです。

 兵庫県姫路市に、今のような健康ブームが訪れるよりも前から、国産オーガニック玄米を100%使用した、体に優しいせんべいを製造する老舗菓子メーカーがあります。誕生のきっかけは何だったのでしょうか? 詳しく聞きました。

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 1952年に創業した合名会社アリモト(姫路市花田町)は創業当時、創業者である有元正さんの自宅で播州銘菓の「かりんとう」を製造していたのだそうです。

 正さんの孫で現在代表社員を務める有元誠次朗さんによると、正さんはあまり体が強くはなかったとのこと。自身の体の不調をきっかけに体に優しい商品づくりを目指し、栄養価の高い玄米での煎餅を作り始めたのがスタートだったといいます。「開発当時は、炊飯器では玄米をおいしく炊けず、体によいとされる玄米食を継続して行うことに高いハードルがありました。そこで、玄米のせんべいなら簡単に玄米食を叶えられるのでは? という思いから誕生しました」と誠次朗さんは語ります。

 しかし、通常は白米で作られるせんべいを玄米で製造することは初めての試みで、その開発と製造には当時大変苦労したといいます。そのような過程を経て“想い”とともに受け継がれてきた玄米せんべいは、現在「玄米このは」の銘で販売され、アリモトの看板商品として人気を得ています。

玄米煎餅「玄米このは」などを手にした代表社員の有元誠次朗さん (提供:合名会社アリモト)
玄米煎餅「玄米このは」などを手にした代表社員の有元誠次朗さん (提供:合名会社アリモト)

 同社では新しい技術の研究も熱心に行っています。現在、兵庫県立大学、姫路信用金庫、アリモトの3者で、AIカメラを使った煎餅の識別システムの開発事業を展開。「おせんべいは、その日の気温や湿度によって焼き方が変わります。今までは職人の腕に頼っている部分が大きかったのですが、AIの助けを借り、品質を安定させられるよう研究しています」と誠次郎さん。

 また先日は、兵庫県姫路市にある大手前公園、イーグレひめじにて行われた「姫路菓子まつり」では、毎年人気の企業出店に加え、今年元日に発生した能登半島地震の被災地である石川県珠洲市の小・中学生、教職員600人に、小学生の応援メッセージを添えた姫路のお菓子を届けるキャンペーンを実施しました。

 そうした社会的な取り組みや体に優しい商品づくりには、同社の企業理念「企業の作り出す商品が、世のため人のために役立ち、感謝されてこそメーカーとしての存在価値がある」が映し出されていると言えます。

写真右:有元誠次朗さん 左:番組パーソナリティの谷五郎氏
写真右:有元誠次朗さん 左:番組パーソナリティの谷五郎氏

※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』より

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