2024年1月1日に発生した能登半島地震から1年。さらに同年9月21日に襲った豪雨が人々の生活に追い打ちをかけた。


阪神・淡路大震災と同じ直下型地震が起こる可能性が指摘される活断層「山崎断層帯」(兵庫県三木市~岡山県美作市)の研究を続けるはりま地盤・地震研究会(兵庫県姫路市)の西影裕一代表に聞いた。
・・・《以下、手記と画像提供・西影裕一さん》・・・
生活に一番必要とされるのは住居だが、応急仮設住宅は必要戸数とされる約6900戸が完成した一方、避難所の移動を余儀なくされた被災者も多い。
仮設住宅からホテルや戸建ての家に転居するなど住環境は良くなったものの、これまで築いてきた人間関係が絶たれ、新居でふさぎ込んでしまった人もおり、心のケアの重要性が指摘されている。


能登半島の地質は大部分が新しい時代に堆積した岩石だ。輪島市と志賀町のごく一部にジュラ紀(1億4500万年前)の岩石があるが、それ以外は古代三紀(6600万年前)以降にできた地質である。このうち、大部分は新第三紀中新世(2300万年前)以降の地質なので、未固結(普通、岩石というとハンマーで叩いても硬いが、未固結の岩石はすぐに割れてしまう)の地質もあり脆く崩れやすい。


さらに260万年以降にできた地質は未固結岩石(※)にもなっていない表層土もある。このため、今回の地震による揺れや豪雨により多大な被害が出たと考えられる。生活上で1時間単位にといえば、秒・分・時間だが、地質学では100万年が1時間単位ほどのイメージで、長い時間をかけて地層が形成される。

