とどまることを知らない日本の少子高齢化。本格的な高齢化社会を迎えるにあたり、我々はどのように老いと向き合うべきなのでしょうか? 中将タカノリ(シンガーソングライター・音楽評論家)と橋本菜津美(シンガーソングライター・インフルエンサー)が昭和の”老いソング”を振り返りつつ語り合いました。

※ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』2025年3月28日放送回より
【中将タカノリ(以下「中将」)】 先日、3月8日に41歳の誕生日を迎えました。人生の折り返し地点を越え、そろそろ老いについて考えてゆくべきかなと……。
【橋本菜津美(以下「橋本」)】 おめでとうございます! でも41歳で”老い”って重いですよ(笑)。
【中将】 でも10代の頃だと、30代、40代ってもう若さを燃やし尽くしてしまってるようなイメージだったもんね。実際なってみると「今が一番ええんちゃうか」なんて思ってるんだけど(笑)。
【橋本】 たしかに10代の頃は自分の30代なんてイメージすらできなかったですね……。
【中将】 というわけで、今回は老いについて歌った昭和歌謡を振り返ろうと思うんですが、日本の高齢化っていつから始まったか知ってますか?
【橋本】 1993年生まれですが、私が小さい頃からすでにそんなことを言ってたような……。
【中将】 はい、日本の少子高齢化はなにも最近始まったことではなく、1975年から現在にいたるまでずっと進行中なんです。
【橋本】 えっ、そんな昔から!?
【中将】 はい。そして1994年には65歳以上の高齢者の割合が「人口の14%」を超え高齢社会に、2007年には「人口の21%」超高齢社会に突入。出生率も年々低下し、2023年には1.20という最低記録を更新しました。
【橋本】 そう考えると5人目を妊娠中の辻(希美)ちゃんとかすごいですよね!
【中将】 昔なら表彰されてますね。さて、ではそろそろ1曲目を紹介します。左卜全とひまわりキティーズで『老人と子供のポルカ』(1970)。
【橋本】 私が考える”老いの歌”とはかけ離れていました……。
【中将】 半分は子どものコーラスだもんね(笑)。この曲は映画版『ハレンチ学園』の主題歌として作られ、76歳になる大御所俳優の左さんのデビュー曲としても話題になりました。そして、ひまわりキティーズというのは、劇団ひまわりの子どもたちによるコーラスグループです。
【橋本】 情報量が多い!『ハレンチ学園』というのも初めて知りましたが、すごい内容だったんですね。
【中将】 はい、この曲にも濃厚なメッセージが込められています。現代社会は老人と子どもが「ゲバ(学生運動)」「ジコ(交通事故)」「スト(ストライキ)」の被害者になっているということをこのユーモラスなメロディーに乗せて歌っているわけですね。
そんな感じで今回は攻めた老いソングも織り交ぜつつ進めていきたいと思います。次に紹介するのはザ・スパイダースで『エレクトリックおばあちゃん』(1970)。





