2025年も半年が過ぎようとしています。今年も猛暑が予想される夏を迎える前に、いろいろと対策を考えている人も多いのではないでしょうか。
現代には便利なアイテムがたくさんありますが、昔の人はどのようにしてこの季節を乗り越えていたのでしょうか? 播磨国総社射楯兵主神社(兵庫県姫路市)祭務部の尾崎祐彦さん(※尾崎の「崎」は、たつさき)に話を聞きました。
まずは、この時期に多くの神社で行われる神事「夏越の祓(なごしのはらえ)」について。これは、1年の前半を締めくくり、無病息災を祈願する神事です。
半年分の罪けがれを人形に託してお祓いをし、青々とした茅(かや)で作られた「茅の輪」をくぐり抜けることで、罪やけがれを祓い、心身を清らかに保つとされています。
同行事の起源は、スサノオノミコトと蘇民将来(そみんしょうらい)の神話へとさかのぼるといいます。
「スサノオノミコトは、旅の途中に宿を求めた自身を、貧しいながらももてなした蘇民将来に感謝し、『この茅の輪を腰につければ疫病から免れる』と教えます。実際にその教えを守った蘇民将来とその家族は疫病を免れ、代々繁栄したと伝えられています」(尾崎さん)
茅は古来、神聖な植物として、邪気を払う力や生命力を象徴するといわれてきました。
ちなみに、播磨国総社で輪ぬけ神事に使用する茅は神事でお祓いされたもの。
尾崎さんは、「ありがたみを感じる人も多いかもしれませんが、大茅の輪から茅を引き抜いて持ち帰ることは、けがれや災いを自ら持ち帰ることになるとされているため、絶対に避けてください」と話します。





