熱中症に「なったらどうするではなく、ならないように」 兵庫県医師会が対策・予防を呼びかけ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

熱中症に「なったらどうするではなく、ならないように」 兵庫県医師会が対策・予防を呼びかけ

LINEで送る

この記事の写真を見る(8枚)

 ことしもいよいよ暑い夏の時期を迎えます。兵庫県医師会は9日、熱中症対策についての記者会見を開き、昨年(2024年)の熱中症による全国の救急搬送者数が過去最多となったことを明らかにするとともに、熱中症対策の重要性を呼びかけました。

記者会見に出席した兵庫県医師会の八田昌樹会長(右)と、平林弘久常任理事

 総務省消防庁によりますと、昨年・2024(令和6)年5月から9月にかけて、熱中症で救急搬送された人は全国で9万7578人。これは、前年の9万1467人を大きく上回る数字です。

 中でも65歳以上の高齢者が全体の57%以上を占めていて、注意が必要だとしています。

◆家の中での発症が最多 暑さを感じにくい高齢者は特に注意

 兵庫県内では、昨年5月から9月までに4821人が熱中症で搬送され、そのうち8人が亡くなったということです。

 発生場所を見てみると、最も多かったのが「住居」で全体の約38%。外出中の「道路」や「屋外」、「職場」を上回る結果となっています。

 医師会では、「高齢者の方が、エアコンを使わずに熱中症になるケースが後を絶ちません。暑くてたまらないと感じなくても、適切にエアコンを使用してほしい」と呼びかけています。

◆6月から職場での対策が義務化 暑さ指数の活用も

 また、ことし6月1日からは労働安全衛生規則が改正され、一定の暑さを超える職場では、事業者に熱中症対策が義務づけられました。

 対象となるのは、暑さ指数(WBGT)が28以上、または気温31℃以上の環境で1時間以上、または1日4時間を超えて作業する場合です。

 対策としては、▼体調不良時に連絡する体制の整備、▼作業中止や冷却措置のルール作り、▼作業者への周知徹底、といった対応が求められ、違反すると罰則もあります。

 職場では「暑さ指数計(WBGT計)」を活用し、気温だけでなく湿度や風、日射の影響をふまえた環境のチェックが推奨されています。

 医師会は、「暑さを客観的に見える化することで、予防につながります。高温でなくても蒸し暑い日など、指数の活用が効果的です」と話しています。

兵庫県医師会の記者会見ボードより
LINEで送る

関連記事