夏の暑さがピークを迎える8月。この時期、日本の暦では秋の訪れを告げる2つの節気がやってきます。それが、「立秋(りっしゅう)」と「処暑(しょしょ)」です。
播磨国総社射楯兵主神社(兵庫県姫路市)祭務部の尾崎祐彦さん(※尾崎の「崎」は、たつさき)に、8月の暦について詳しく聞きました。

「立秋」は毎年8月7日ごろにあたり、漢字のとおり「秋が立つ」、つまり、秋のはじまりを意味する節気です。
尾崎さんは、「『秋』という字を見て、そろそろ暑さも落ち着くかと思いたくなりますよね。『あと数日で夏が終わる!』と希望を抱く方も多いのではないでしょうか。でも実際には、まだまだ真夏の暑さが続くころです」と話します。
実際に、日の出・日の入りの時刻をみてみると少しずつ変化が現れてきます。たとえば、姫路市では以下のような変化がみられます。
◆夏至(6月21日ごろ)日の出:午前4時48分/日の入り:午後7時18分
◆立秋(8月7日ごろ) 日の出:午前5時15分/日の入り:午後6時58分
秋に向かうにつれ、日の出は少し遅く、日の入りは少し早くなっていることがわかります。こうした太陽の動きから、暦のうえではたしかに秋の兆しがみえているのです。
なお、神社を訪れると、季節にかかわらず変わらない装束で対応する神職の姿が印象的です。「あの格好、夏は大変そう……」と思ったことがある人もいるかもしれません。
じつは、見た目に変化はないものの、夏用の装束が存在しているのだそう。通常よりも薄手の生地で仕立てられており、中に着るインナーを工夫するなどして暑さに対応しているといいます。こうした見えない配慮があるからこそ、参拝者は季節を問わず神聖な雰囲気を感じられるのかもしれませんね。





