最近では都会でも「屋上農園」などといった小規模農業を始めることができる環境が整いつつあります。筆者自身、興味がありながらも野菜を育てるために何が必要なのかいまいちよく分かっていないのが正直なトコロ。そこで、藤井ファーム(兵庫県西宮市)の藤井聖子さんに取材しました。

農業に着手するあたり、まず何から始めたらいいのでしょうか? 藤井さんは「目的の設定が大事」と話します。目前とは、例えば「少ない収穫量でいいので農薬も化学肥料も使わずに育てたい」「農薬を使い大きな収穫量を目指す」など。
農作する場所としては、レクチャーしてくれる人がいる“貸し農園”でも、自宅の庭やベランダでのプランター栽培でもOKとのこと。「まずは土に触る機会を作ることです」と藤井さんは話します。

10月から農業を始める場合、どういった野菜を育てると良いのか藤井さんに教えてもらいました。
【農園や庭などで育てる場合】大根やにんじんを植え始めると良い。
【プランターで育てる場合】土に潜らない野菜がおすすめ。カブや紅芯大根など。小松菜やホウレン草といった「葉物」は1か月で収穫でき、育成時に間引いたものはベビーリーフとして食べることができる。


野菜を育て始めると、どうしても考えてしまいがちなのが「いつになったら食べられるのか」ということ。これに対して「育つのを待つこと」そして「自然と戦わないこと」が大切だと藤井さん。
「自然環境に大きく左右されるのが農業というもの。台風で収穫が間近の野菜が全滅することもありますし、虫や鳥に食べつくされることもあります。ですが、怒っても泣いても仕方ありません。焦らず気楽に待ち、自然と仲良くすること。水の量や日照などをこまめに気にかけ、種や苗が居心地良く育っているか見守ってあげてください」と話し、藤井さんは取材をしめくくりました。

(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年9月24日放送回より




