えっ!“栗”は必須条件じゃないの?人気の洋菓子「モンブラン」 起源や最新トレンドを有識者が解説 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

えっ!“栗”は必須条件じゃないの?人気の洋菓子「モンブラン」 起源や最新トレンドを有識者が解説

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 栗の味わいが魅力のスイーツ「モンブラン」。筆者も大好物なのですが、その発祥がどこなのか調べてみたところ様々な説があり、今イチはっきりしませんでした。そこで業務用和洋菓子を取り扱う「株式会社ナゴミヤ」(東京都豊島区)の担当者に詳しい話を聞いてみることにしました。

日本でも愛されている洋菓子「モンブラン」(イメージ)

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 モンブランという菓子の名とフォルムは、フランスとスイスの国境にあるアルプスの最高峰「モンブラン(Mont Blanc)」が由来のため、誕生の地はフランスと思われがち。ですが同社によると、一概にそうとは言えないのだとか。

名前の由来はアルプス最高峰「モンブラン」(イメージ)

「実はイタリアにも起源があるとされています。もともと、イタリア北部では昔から『モンテ・ビアンコ(=白い山)』という栗のスイーツが作られていました。これは茹でた栗を潰し裏ごししたものに砂糖を加え、牛乳でのばし生クリームを添えたシンプルなデザートです。17世紀にはすでに存在していたという記録もあります」(担当者)

 日本で一般的に浸透しているモンブランは、細いマロンクリームが山型にあしらわれたもの。これはフランスのパリに存在したサロン「アンジェリーナ」が1900年代初頭に広めたスタイルとされています。「つまり、栗のデザートとしての原型はイタリアに、見た目と味の原型はフランスで形作られた……というのが、現在もっとも有力な説だと言われています」と担当者。

 ちなみに「栗のケーキ」というイメージが強いモンブランですが、明確な定義や国際的基準は無いのだそう。担当者は「いつくかの特徴を持っていれば、栗が使われていなくてもモンブランと呼ばれることがあります。栗は必須条件とは言えません」と述べます。その特徴とは以下。

●名前の由来がアルプスの山「モンブラン(白い山)」
●山のような形に整えられている
●細く絞ったクリームで覆われている
●クリームの中にはメレンゲやスポンジ、生クリームなどが層状にあしらわれている
●上から粉糖がかけらており、雪のように見せている

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 モンブランにもトレンドがあるようで、担当者いわく近ごろ人気を伸ばしているのが「黄色いモンブラン」。栗の滋味深さを味わえるよう糖度が高すぎない国産和栗が使われており、上品な甘みと香りが特徴。ソフトイエローやベージュ系の色合いで、百貨店や専門店でよく見かけるようになってきているとのことです。さらに、自分でクリームを絞る「体験型モンブラン」や抹茶・ほうじ茶を使った「和風モンブラン」なども。伝統菓子でありながら、時代やニーズに合わせ多種多様な進化を見せているモンブラン。いちどじっくり観察してみるといいかもしれません。

(取材・文=つちだ四郎)

自分で絞る「体験型モンブラン」(イメージ)

【取材協力】株式会社 ナゴミヤ
HP

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