パフォーマーの手さばきで、竹のすだれが様々に形を変えていく「玉すだれ」。“さて、さて、さては南京玉すだれ”という小気味の良い口上にもあるだけに、「中国で生まれた芸」なのでしょうか? 気になった筆者は、大道芸人・みよさんに話を聞きました。
☆☆☆☆
筆者の疑問について、みよさんの回答はズバリ「NO」。実は日本で生まれたものなのだとか。
「江戸時代から続く伝統芸のひとつ『見立て芸』で、発祥は富山県五箇山とされており『こきりこ節』に使われる楽器“ささら”が原型となっています。諸説ありますが、江戸時代は庶民の玩具として扱われ、それがお店の客寄せの芸となり、道端で行われるようになったそうです」と、みよさんは解説します。

では、なぜ“南京”と言うのでしょうか?
「江戸時代の口上では、『唐人阿蘭陀南京無双玉すだれ』と言っていたそうですが、いつしか唐人阿蘭陀と無双がフレーズから無くなり、南京玉すだれだけが残りました。ちなみに、無双とは“無い”を意味します。よって元の口上を訳すと、『オランダや中国にも無い玉すだれ』と言っているのです」(みよさん)
玉すだれ芸の習得についても教えてもらいました。
「私は八房梅香師匠の教室に通いました。まずは持ち方・扱い方から始まります。江戸時代から続く口上で『原型』という形を覚えますが、昔の口上の言葉には現代では意味の伝わらないものもあるのでアレンジします。玉すだれは見立て芸なので、原型を元に『何に見えるかなあ?』と新しい形を考えたり、強引に見立てたりして練習します。形を作るのが難しそうに思われがちですが、実際は元に戻すほうが難易度が高いんですよ」(みよさん)

☆☆☆☆
中国発祥だと間違えられることも多い、玉すだれ。日本の伝統芸として、人々を楽しませながら、今後も受け継がれていきそうです。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2026年2月25日放送回より





