一人芝居で「沖縄戦」を語り継ぐ 祖母の生き様が創作のきっかけに 俳優・谷ノ上朋美さんの思いとは

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 俳優・カウンセラーとして活動する谷ノ上朋美さんが、ラジオ番組にて自身が企画・出演する舞台作品に込めた思いを語りました。

(左から)パーソナリティーの田中大貴、俳優の谷ノ上朋美さん、パーソナリティーの林歳彦

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 もともと役者としての経験を持つ谷ノ上さんでしたが、一時期は漢方薬局でカウンセラーとして16年間勤務。不妊に悩む人の体づくりをサポートしながら多くの相談者の悩みに寄り添ってきました。2017年、約17年のブランクを経て舞台に復帰し、劇団には所属せず依頼があれば全国各地へ赴くスタイルを取っています。

 人権問題をテーマにした「一人芝居」が彼女の表現。複数の登場人物を声色や表情・動きだけで演じ分け、作品によっては7役になることも。衣装替えは無く、瞬時に人物が切り替えることで観客を引き込むのだといいます。

 谷ノ上さんが印象深い作品として挙げたのが、沖縄戦をテーマにした『ゆんたくしましょうね』。母親が沖縄出身で、母方の祖母は沖縄戦で家族全員を失い、15〜16歳の身でただ一人生き延びたといいます。大人になって初めて沖縄戦の体験を知ったときの思いを次のように明かしました。

「ルーツがあるにもかかわらず、こんなに大事なことを何も知らずに生きてきたのかと思いました。奇跡みたいな命をつないでいただいて、私が生きている。そういうことを重く捉えずに生きてきてしまった」(谷ノ上さん)

 この気づきは作品を制作するきっかけに。実際に沖縄のひめゆりの資料館や防空壕を巡り、脚本家とともに制作。「歴史を知ったうえでどう生きていくのか。観た人にも考えていただけるきっかけになれば」と話します。

 作品は沖縄の本土復帰50周年となる2022年に初演され、沖縄県浦添市に住む祖母も観劇しました。終演後、祖母が手を握り「ありがとう」と何度も伝えてくれたことが、「この芝居を続けていこう」と決意するきっかけになったといいます。

『ゆんたくしましょうね』はこれまでに80回以上上演され、昨年は約30公演を実施。今後は通算100回公演を目標に、学校公演にも力を入れ、若い世代が歴史について考えるきっかけづくりにつなげたいと語りました。

※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2026年2月16日放送分

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