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  • 《2》震災報道の検証 【9】管理部門(総務)の対応

    【9】管理部門(総務)の対応

    1月17日
    ・午前5時46分、早朝生ワイド『おはようラジオ朝一番』本番中に『震度7』の直下型大地震発生(震源地:淡路島北部)本社屋は壊滅的被害を受ける。
    番組スタッフは余震を避けるため、一時社外へ緊急避難する。
    ・午前5時50分、番組ディレクターより、総務部長宅へ緊急連絡が入る。
    ・午前6時00分の時報から自家発電にて放送再開。
    (放送中断は14分間)
    ・午前6時15分に出社した総務部長が、役員・社員に非常呼集をかける。
    ・午前7時30分出社した報道制作局幹部を中心に『特別災害報道本部』設置。(災害報道の方針、期間、取材体制、要員確保などについて検討)
    ・総務局員を中心に事務所、スタジオ周辺廊下のコンクリート壁倒壊によるガレキを撤去し、通路の確保にあたる。
    ・社員の安否確認。
    (電話回線は電話局自体の被災や電話の殺到で交換機がパンク状態となり、社員全員の安否が確認できたのは約1週間後である)
    ・代表電話にかかってくる市民、リスナーからの安否・災害情報などの電話受けにあたる。
    ・水、食料の確保。
    (特に食料については神戸市内で調達できず、三木市で確保)
    ・長時間の停電が予想され、非常用発電機、中継車、暖房用燃料の調達手配。(神戸市内のガソリンスタンドは閉鎖のため、翌日加古川市で燃料確保)
    ・社内での宿泊場所(役員室・応接室など)、寝具の確保。

    1月18日
    ・役員による『災害対策本部』設置、今後の緊急対策について決定。
    社員の安否、社屋等の被災状況の掌握、放送継続のための緊急対策、全壊した営業局事務所対策、被災社員への見舞金・特別貸付、義援金口座開設。
    ・電算機が無傷のため、給与振込のフロッピーを銀行へ持ち込む。
    給与25日支給を社内通達。(受取銀行の被災等で2~3日遅れもあった)
    ・昨年建設した新送信所の自立式中波アンテナ2基、送信局舎、放送機器の被災状況の点検を業者に依頼する。
    ・本社屋(A棟)・設備の被害状況の掌握。
    (社屋については建設会社に依頼)
    ・会社の実印、重要書類は被害の少なかった総務部長宅へ一時緊急避難する。
    ・宿泊者多数のため、宿泊場所として近くにある国民宿舎や旅館に場所提供を依頼するが、各々が被災していたり、避難場所になっていて断られる。
    ・水、食料の確保、社員の安否確認、ガレキの処理にあたる。

    1月19日
    ・敷地内の当社所有テナントビル(B棟)への緊急避難の検討、準備に入る。
    ・敷地内駐車場に仮設スタジオ及びラジオマスター(約50■)1棟と、2階建事務所プレハブ(約150■)1棟の建設を決定し、業者発注。
    ・倒れたレコード棚と散乱した約10万枚のCD・レコードの片付けと移動。
    ・空調機故障で暖房ストップ。 電気、灯油ストーブを調達。
    ・建設会社の診断で本社ビル(A棟)は危険な状態との判断が出る。

    1月20日
    ・スタジオ及び本社機能をテナントビル(B棟)へ移すことを決定(社内通達)
    ・三宮の神戸新聞会館にあった神戸営業局事務所が全壊のため、営業局事務所をハーバーランドへ移転することを決定。
    ・災害義援金口座をさくら銀行に開設、放送で募金を呼びかける。
    ・被災社員への見舞金、特別貸付について社内通達。

    1月21日
    ・近くのホテルと契約、2週間1部屋を確保。
    (番組ゲストの宿泊と社員の入浴が可能となる)
    ・食料確保が困難なため、泊り込み社員以外は弁当持参で出勤するように指示を出す。

    1月22日
    ・テナントビル(B棟)へ災害報道本部、本社機能を移す。
    (本社社員、営業局社員、番組アルバイトなどで引越し実施)1月23日
    ・本社屋で放送を行いながら、テナントビル(B棟)に送出スタジオ設営。
    ・加入電話回線、専用線の移設及び電算機端末装置の移設を行う。
    移設工事についてはNTT、電話業者とも被災しており対応できず。
    電算機本体、電話交換機は本社(A棟)に残し、総務・技術両職場でテナントビル(B棟)までケーブル延長を行う。
    ・三宮~本社間に送迎バス1日2往復運行開始。(社内通達)

    1月24日
    ・テナントビル(B棟)に設置した送出スタジオから放送を始める。
    ・昭和シェル石油のガソリンスタンドと交渉し、定期的な燃料の補給と緊急時の優先的燃料確保を図る。
    ・非常事態が長期化する見通しのため、各職場に臨時の勤務ダイヤを組み対応するように社内通達を出す。

    1月25日
    ・敷地内駐車場に仮設の鉄骨シェルタースタジオ建設工事着工。
    ・電源系統の移設工事打合せ及び発注。
    ・ハーバーランド内ダイヤニッセイビルに神戸営業局事務所を移し、営業活動を再開。

    1月27日
    ・JRは大阪~住吉間で開通、また、阪神電車も梅田~青木間で開通したため、送迎バスも青木~本社間に振り替え1日2往復運行。
    ・須磨区役所の罹災証明で本社屋は『全壊』。、B棟は『半壊』の判定が出る。

    2月3日
    ・仮設シェルタースタジオが駐車場内に完成。
    受電・発電系統の引込工事完了。
    空調、照明工事も完了。
    ・震災特別番組『兵庫県南部地震~放送現場からの証言~』2時間で生放送。

    2月5日
    ・仮設シェルタースタジオの副調整室に音声機器をセット、本社屋からラジオマスターの設備一式を移設したが、スタジオの遮音が不完全のため、再度防音工事の手直しを追加発注する。 放送はテナントビル(B棟)で継続。

    2月8日
    ・駐車場内シェルタースタジオ横に2階建プレハブの本社事務所建設に着工。

    2月17日
    ・震災1ヶ月特別番組『私にできること、あなたへの提言~いま始まるボランティア活動~』放送。

    2月20日
    ・プレハブの本社事務所完成。
    電源、空調、照明工事に入る。

    2月24日
    ・テナントビル(B棟)よりプレハブへ本社機能を移す。
    電算機本体及び電話交換機は本社屋(A棟)より、OA機器、机、椅子などはB棟より移す。

    2月28日
    ・仮設シェルタースタジオの防音工事完了、専用線等を移す。

    3月1日
    ・放送開始時より仮設シェルタースタジオに切替えて、本放送始める。
    『シェルタースタジオ117』と名付ける。

    3月2日
    ・仮設スタジオとプレハブ本社の中間に倉庫プレハブとトイレ発注し着工。

    3月17日
    ・震災2ヶ月特別番組『ファイト!神戸』放送。

    3月25日
    ・倉庫プレハブ完成。 レコード室、テープ編集室、資料室を移す。

    4月1日
    ・三宮地下街に『AM KOBE さんちかサテライトスタジオ』を開設し、放送を始める。

    4月3日
    ・新年度スタート。
    新入社員入社式、永年勤続表彰を行う。
    ・月~土の番組大改編、新番組『ラジオRAMDA』スタート。

    4月14日
    ・機構改革、人事異動発令。

    5月2日
    ・ハーバーランド内情報センタービルへ新社屋移転を社内決定。

    5月25日
    ・本社屋の補強・補修工事開始決定に伴い、録音スタジオの確保が緊急課題となり、コンテナ型スタジオ2室を駐車場内に建設することで業者発注。
    ・同じく補修工事開始に伴い、3.4GHz帯STL送信機及びパラボラアンテナの移設が発生。
    郵政省より緊急避難措置として期間限定で 67MHz帯への移行を認められる。
    VHFの送受信アンテナ発注。
    (送受信装置については、昨年送信所移転前に使用していた機器を使用)

    6月10日
    ・67MHz帯STLのアンテナ及び送受信装置を、本社と送信所に設置。

    6月20日
    ・STL変更検査合格、運用開始。
    ・録音スタジオ2室完成、音声器材をセットし稼働。