乗客106人が亡くなり、562人が重軽傷を負ったJR福知山線脱線事故は25日、発生から15年を迎えた。
新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、事故現場にある慰霊施設「祈りの杜」で予定されていた追悼慰霊式は中止に。
2018年に整備が完了した事故現場の慰霊施設「祈りの杜」(尼崎市久々知)。遺族や負傷者にとって「一番嫌いな場所だが、とても大切な場所」など思いはさまざま。そしてもう1つ忘れてはならない重要なことがある。
事故車両の保存のあり方だ。
JR西日本は事故車両を一般公開せず、大阪府吹田市の社員研修施設に保存することを決めている。
事故車両をめぐっては「祈りの杜」の整備よりも重要だとする声も多く聞かれた。
当時7両編成だった事故車両は、兵庫県警が業務上過失致死傷事件の証拠品としてJR西日本から押収していたが、2011年に神戸地検が返還した。現在は損傷の激しかった1両目から4両目については高砂市内で、5両目から7両目は大阪市内のJR西日本の施設で保管している。