JR福知山線脱線事故15年「闇夜に灯、ともし続けたい」三井ハルコさん 事故車両のあり方は | ラジトピ ラジオ関西トピックス

JR福知山線脱線事故15年「闇夜に灯、ともし続けたい」三井ハルコさん 事故車両のあり方は

LINEで送る

この記事の写真を見る(5枚)

負傷者と家族等の会
「最後の1人まで向き合いたい」負傷者と家族等の会の会合は続く

 三井さんは「風化させない」とは語らない。「いかに風化の度合いを緩めるか」これが現実の社会なのだと話す。そのうえで「この事故との基本的な向き合い方はこれからも一貫して揺るがせてはならない」と訴える。優しい瞳が鋭い眼光に変わる。

 これまで意見の衝突もあった。直接の被害者ではない立場、理解してもらえない部分もあった。心が折れそうになったこともある。しかし負傷者と家族らの会のメンバーは寄り添い、活動を続ける。「脱線事故はもちろん、日航機墜落事故や地下鉄サリン事件…衝撃的な体験をした人々にとっての社会貢献とは?」、こうした思いがずっとあった。「改めて立ち止まって学びたい」と神戸大学大学院の人間発達環境学研究科に通い、1年をかけて2年分の単位を取得、修士論文を提出し3月に晴れて卒業した。

 いつもと同じ朝、抜けるような青空だった。人々はさまざまな思いを胸に快速電車に乗った。

 「4.25」あの日から15年目の朝がくる…

 この事故は一人ひとりの体験が異なる。その人しか語れない15年がある。それぞれが自分の生き方をどう探るのか、厳しい現実と向き合っている。これからも。

「闇夜のなか、この場を必要とする人が1人でもいる限り、灯をともし続けたい」三井さんは寄り添い続ける。与えられたミッションだ。

LINEで送る

関連記事