せっかく一人旅でイスラエルにまで来て、些細な時間管理に振り回されているのは情けなかったが、エイラートまでの長距離移動のことを考えると、どうしてもせっかちなスケジュールの再編が必要だった。
(残念やけど、ベツレヘムでの観光は主要エリアだけパッと見て、すぐに戻ってくるしかないかー。)
そんなことを思っていた時であった。「……日本人の方ですか?」
振り返ると、ひとりの女性が同じバスを待っていた。どうやら彼女も一人旅の様子だ。えぇ日本人です、どうも。と頭を下げる前に提案された。
「もしベツレヘムに行くなら一緒に行動しませんか? タクシーとかも相乗りで安くなるし……」
今後のスケジュールがカツカツで急いでいるので……とは断れず、結局ベツレヘムでの行動をともにすることに。
エルサレムからベツレヘムまでのおよそ30分、バスの中では互いの素性はほとんど明かさず、イスラエルの観光地の話だけで盛り上がった。
バス停なのかもよくわからない場所で急停車し、ベツレヘム到着がアナウンスされる。車窓からの景色を見た瞬間、自分が抱いていた観光地のイメージとは違うことがすぐに理解できた。
【『独身リーマン、世界へ』イスラエル編 アーカイブ】
(1)独身リーマンがイスラエルに行って、すぐ帰りたくなった話
(2)イスラエルで迎えた、はじめての朝
(3)イスラエルの公衆トイレでドキドキ体験?!
(4)聖地・エルサレム到着
(5)エルサレムの旧市街地で感じた「人間の暮らし」
(6)「嘆きの壁」の2つの秘密
(7)キリスト最期の地「ゴルゴダの丘」
(8)エルサレムの早起きは三文の得ではなかった!?