◇海岸部では
海岸部で地震が起こったときは、とにかく高いところに避難することである。近くに山があれば山に避難する。平地だとマンションのような高い建物に避難する。また、海岸部にある家は、自治体から出されているハザードマップを参考に、液状化の心配はないか調べるとよい。
阪神・淡路大震災の被災地となった尼崎市や西宮市など阪神間の浜手、0メートル地帯(海抜0メートルより低い土地)では津波・高潮が来て、海水が防波堤を越えると確実に浸水する。南海トラフ地震では津波が来るのは地震発生後100分とされているが、これくらい時間の幅があると避難しやすい。しかし、想定より早く到達した場合の対応も上記同様考えておいた方がよい。
河口付近ではかなり高くまで護岸工事が施されているが、長期間の間に護岸にひびが入っていたり水漏れがあると大変なことになるので、点検は行政まかせにせず、居住者自身も常に気をつけて点検を。
◇平野部では
平野部での津波やがけ崩れの心配は少ないと思われるが、地震が起こったとき、「家」そのものの被害が懸念される。木造の家では柱と柱の間に筋交いを入れたり、柱同士を金具で固定するとかして、頑丈な作りにするとよい。熊本地震でマグニチュード7の地震が2回起こったが、これだけ大きな地震が来ると、1回目では倒壊せずに持ちこたえた家でも、柱や梁はひずんで「すき間」ができて緩み、2回目の地震では持ちこたえきれず倒壊した。
大雨で問題なるのが、山間部の上流での降り方と平野部・海岸部である下流での実感の違いだ。上流で大雨でも下流では降っていないことがある。この時、下流の人は上流で大雨だといっても実感がないだろう。しかし、数分後に増水するのに遭遇して人々は驚く。そうなってからでは遅いのだ。