『神戸の映画』で観る在りし日のおもかげ 長門裕之主演「ゆがんだ月」(1959) | ラジトピ ラジオ関西トピックス

『神戸の映画』で観る在りし日のおもかげ 長門裕之主演「ゆがんだ月」(1959)

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 日本ではじめて映画が上映されたのは神戸でした。エジソンが開発したキネトスコープを神戸の鉄砲商人であった高橋信治が購入し、神戸・花隈の神港倶楽部で1896年(明治29)年に公開されました。

 神戸港の開港によって流れ込んだ異国情緒あふれる神戸の街は、山があり、海があり、時代が生み出した素敵な景色が広がります。戦争や震災からの復興を経て移ろいゆく街の風景を映画の中で見ることができます。

 そんな魅力ある神戸の街が登場する映画を『神戸の映画』と題して紹介します。

 取り上げる映画は、日活が生んだアクション大作「ゆがんだ月」。1959(昭和34)年の作品で、芥川賞作家、菊村到の原作を映画化したものです。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 夜の神戸。キャバレーから出てきた兄貴分と正夫。暗闇の中で発射された一発の銃声が復讐の扉を開ける。真相を知ったことで殺し屋に追われる身となった正夫の運命はいかに!

 主演は長門裕之。「日本映画の父」とよばれる牧野省三をはじめとする芸能一族に生まれ、6歳でスクリーンデビュー。戦後、映画製作を再開した日活に入社し、1956年「太陽の季節」で主演を務めた。

主演の長門裕之と南田洋子(「ゆがんだ月」 ©日活)
主演の長門裕之と南田洋子(「ゆがんだ月」 ©日活)

 当時、人気絶頂の青春スターだった長門裕之の相手役には、「太陽の季節」で同じく主演を務めた南田洋子。後に生涯の伴侶となる、ベストパートナーだ。

 また、銃弾に倒れた兄貴分の妹、文枝に芦川いづみ。文枝の恋人役で、早逝した赤木圭一郎が新人として出演している。


【神戸映画資料館 公式HP】
【映画「ゆがんだ月」(日活 公式サイトより)】

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