熱海・土石流災害「土の恐ろしさ、水の怖さ…これまでにない危険が襲う」現場派遣の兵庫県警救助隊員が語る | ラジトピ ラジオ関西トピックス

熱海・土石流災害「土の恐ろしさ、水の怖さ…これまでにない危険が襲う」現場派遣の兵庫県警救助隊員が語る

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2021年7月、”兵庫県警本部長指定技能指導官”に「レスキューにマニュアルなし」と語る
2021年7月、”兵庫県警本部長指定技能指導官”に「レスキューにマニュアルなし」と語る

「土って怖い。水って怖い」。思った以上に土圧は強い。この言葉が土石流の恐ろしさを物語る。「われわれ1人1人、1つ1つの行動が、救助を必要とする方々の命に関わってくる。レスキューにマニュアルはない」が信条だ。

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 日本地震学会・会員として、山崎断層などの地質や地震の研究を続ける西影裕一さん(兵庫県姫路市在住)に聞いた。

 私も3回、水害の被災地にボランンティアや調査に出向いたことがあるが、 今回、災害直後に赴かれた広域緊急援助隊の方々にとって、あの泥の中での捜索は困難を極めたに違いない。コメント1つ1つから、その苦労がひしひしと伝わってきた。泥状の時は長靴がめり込み歩行が困難になり、乾燥すると土ぼこり(埃)が舞い上がり呼吸が困難になるという経験をしたこともある。二次災害で自らも被害に遭うかもしれないという危険な中で捜索されたことに敬意を表する。
 阪神・淡路大震災でお世話になったので、1人でも多く発見したいという警察官としての気持ちは痛いほどわかる。あの震災がボランティア元年(1995年)といわれたが、その後地震等の災害が起こると兵庫の方々は「恩返し」という気持ちでボランンティアで駆けつけた。広域緊急援助隊も同じ思いだったはず。それだけに1人も発見できなかったというのはどれだけ悔しかっただろうか。

2018年の西日本水害、宍粟市一宮町(兵庫県)でも土石流が発生<※画像提供・西影裕一さん>
2018年の西日本水害、宍粟市一宮町(兵庫県)でも土石流が発生<※画像提供・西影裕一さん>

 日本人は今まで、災害が起こるとその原因を追及し解決策を模索してきた。近年の科学史を調べるとすぐにわかることだが、科学技術が進歩し、「防災」つまり人の命を救う技術がずいぶん進歩した。それでも今回のような災害が起こるのだ。土砂災害については、土木工学等関連技術をさらに充実させ、1人でも被害者を減らしてほしい。また、それに従事する研究者・技術者を育ててほしいと思う。この土砂災害は違法な「盛り土」が原因で起きた可能性があると言われているが、これについては法律の改正が必要なのではないか。

 行方不明の方が一日でも早く発見されることを祈っている。そして、捜索された広域緊急援助隊の方々に感謝申し上げたい。

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限られた日数での派遣、後を引き継ぐ他府県からの応援部隊に託して<※画像提供・兵庫県警災害対策課>
限られた日数での派遣、後を引き継ぐ他府県からの応援部隊に託して<※画像提供・兵庫県警災害対策課>
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