神戸・5人殺傷事件被告「すべて幻聴だった」犯行の背景語る「えらいことをした」謝罪も 神戸地裁

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 神戸市北区で2017年7月、 祖父母や近隣住民ら5人を殺傷したとして殺人・殺人未遂・銃刀法違反など5つの罪に問われた無職の男(30)の裁判員裁判が、 神戸地裁で19日までに第5回公判が開かれ、男は被告人質問で被害者に謝罪の言葉を述べた。

神戸地裁
神戸地裁

 男は初公判(10月13日)の罪状認否で事実関係は認めたものの、弁護側は事件当時、統合失調症により善悪を全く判断できない「心神喪失状態」だったとして無罪を主張、検察側は男が幻聴の影響などで、通っていた高等専門学校の同級生だった女性以外の存在を倒せば女性と結婚できるという妄想を抱き、犯行を決意したと指摘。善悪を判断する能力は低下していたが一部は残されている「心神耗弱(こうじゃく)状態」だったとしており、最大の争点は男の刑事責任能力の有無となる。判決は11月4日。

神戸地裁・法廷<2021年10月13日・初公判開廷前 ※代表撮影>
神戸地裁・法廷<2021年10月13日・初公判開廷前 ※代表撮影>

 事件は2017年7月16日早朝に発生、起訴状によると男は神戸市北区の自宅で祖父母(いずれも当時83歳)の首を包丁で刺すなどして殺害後、近くに住む女性(当時79歳)も刺殺。さらに母親と近所の女性も金属バットなどで襲い、重傷を負わせたとされる。

 男は被告人質問(第4回公判・10月18日)で、犯行時「まず、寝ている祖母をバットで10回ぐらい殴った。それから台所へ行き、包丁を手にした」などと振り返った。
 その後、自宅近くの神社に逃げ込んだのは「カウントダウンの声が聞こえたから」と表現するなどしたが、一連の犯行をうながした原因を「すべて幻聴だった」と述べた。

 幻聴について男は、「今は投薬治療で、幻聴は数日で1回ぐらいだが、事件の直前には毎日のように聞こえていた。とりわけ事件前日の夜には『幻聴の声と自分以外は人間ではない』と思うようになっていた」と説明した。

神戸地裁 判決は11月4日
神戸地裁 判決は11月4日

■謝罪の気持ち述べ「いっそ自分が死ねばいい」との供述も

 被告人質問ではこのほか、犠牲となった祖父・祖母について「えらいことをしてしまった。祖母はいつも、にこにこして優しかった。好きだった」などと述べ、このほかの被害者や遺族に対し「何の罪もない人を殺(あや)めてしまった。怖い思いをさせてしまった」とも謝罪した。
「えらいことをしてしまった」と犯行を振り返るこの証言は、逮捕直後の調書にも「いっそ(自分が)死んでしまったほうがいいですね」という供述とともに記されていることが明らかになった。

 公判では第5回公判の19日以降、精神鑑定を行った医師らの証人尋問などが行われ、25日に論告求刑が予定されている。

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