イタリア映画の巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見いだされて「ベニスに死す」に主演し、世界中からもてはやされた少年は50年の月日をどう生きてきたのか? 日本でも熱狂的に迎えられたビョルン・アンドレセン。彼の当時と今を追ったドキュメンタリー映画『世界で一番美しい少年』が12月17日(金)から、全国で順次ロードショーされます。
ビョルン・アンドレセンは、1971年「ベニスに死す」の美少年・タジオ役を演じたスウェーデン人です。50年前、当時15歳だった彼は映画が公開されると美貌が評判を呼び、大きなセンセーションを巻き起こしました。
このビョルンを見つけたのがイタリアの映画監督、ルキノ・ヴィスコンティです。ヴィスコンティは“完璧な少年”を探して、ヨーロッパ各国で大規模なオーディションをしていました。
この映画の序盤はオーディションの記録映像です。ヴィスコンティは、スウェーデンのストックホルムで暮らしていた、金髪で青い瞳のビョルンを発掘します。
「君は何歳?」
「15歳です」
「ハンサムだね。こっちを向いて」
ビョルンはシャイな性格でしたが、ヴィスコンティは次々と命じます。
「服を脱いで、裸になって」
「カメラに向かって笑って」
ビョルンは戸惑います。
「ここからそこまで歩いて」
「とても背が高くて、美しい」