「ヴィスコンティといえば名監督。認められたというのが重荷だったと思いますよ」
“世界で一番美しい少年”というフレーズはヴィスコンティが『ベニスに死す』のワールドプレミアの場でビョルンを表現した言葉だったそうです。
15歳でいきなり人生の頂点に到達してしまった少年が失ったものをこの作品は描いています。ビョルンが見た天国と地獄です。
この映画を製作したスティーナ・ガーデルプロデューサーは、「ビョルンは彼を壊した世界に惹かれ続け、彼自身の中には、認められたいと思う何かがあるのかもしれません」とコメントしています。「物として見られることは人にどのような影響を与えるのか。自意識はどうなるのか……。若くして人々の目に晒され、到底忘れることのできない印象を残し、人々の期待に合わせてやっていける子役スターはほぼいません」としたうえで、制作意図について「自尊心を取り戻したいというビョルンの意欲がこの映画の中心となっています」と明かしました。
2019年、ビョルンは映画「ミッドサマー」で崖から飛び降りる老人を演じて驚かせました。ただ美しい、というだけでもてはやされて、数多くのトラウマを抱えることになったビョルン。残酷な運命を克服して人生を取り戻すことができるのでしょうか? 映画『世界で一番美しい少年』は、12月17日(金)公開。(SJ)
◇映画『世界で一番美しい少年』(原題:The Most Beautiful Boy in the World)
※上映日程は、作品の公式サイト・劇場情報でご確認ください。
出演:ビョルン・アンドレセン
監督: クリスティーナ・リンドストロム & クリスティアン・ペトリ
配給:ギャガ
(C)Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021