「ブランドを取り戻す」取り組みとは…創業130年、神戸の老舗鳥料理店 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「ブランドを取り戻す」取り組みとは…創業130年、神戸の老舗鳥料理店

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 JR神戸線の須磨海浜公園駅からおよそ徒歩3分、1892(明治25)年から続く、神戸の老舗鳥料理店「鳥光」。須磨本店をはじめ、三宮(さんプラザ店)や尼崎(阪神尼崎店)にも店舗を持つ。

 昔から受け継ぐ秘伝のタレで焼いた焼き鳥をメインに、鳥料理から鍋物、活魚料理なども提供している。「いわゆる鳥料理屋として鶏肉で何ができるのかということを考えてやっている。鳥の刺身や、本来魚でやるような調理法を鳥でやってみるとか、鳥肉でこんな食べ方があるんだと見ていただければありがたい」。そう話すのは、鳥光を運営する株式会社鳥光の代表取締役社長を務める真田益充さん。

 5代目である真田さんは2002年にこの鳥光を引き継いだ。「当時、震災も引きずっていたし、バブル崩壊の後遺症も大きかった。入った当初はどこまで続けられるのかと思いました」。そのなかでも地域に根差して同店を切り盛りしてきたが、最近はコロナ禍の影響に苦戦。「本当にお客さんがかなり減ってしまって、従業員の生活を維持できるかどうかとすごく考えました。お酒などの提供ができなくなったことで、採算を合わせるのが難しくなっていった状況でした」。それでも、「そういう(コロナ禍の)環境のなか、許される範囲でお客様にお持ち帰りしていただくなど、大変良くしていただいて、何とかここまでこれたなと思っています」。

株式会社鳥光の代表取締役社長を務める真田益充さん

 近年の経営について「飲食業界を取り囲む環境が厳しくなってきていて、いわゆる職人の確保も難しくなっている。また、職人たちが納得できるものを作るために、どうしても価格を下げられなかったりとか、注文数を制限せざるを得ない環境になってきてしまっています」と実情も語る、真田さん。

 しかし、その現状を打破すべく、「いい商品を作るにはいい従業員が必要」とスタッフの育成と環境整備に力を入れる。「従業員が満足できるよう、労働環境などを整えることで、お客さんが満足してもらえるお店にできるんじゃないかと信じて進めている。かつて『鳥光』がブランドと呼ばれたことがあったと昔の人から聞いたりもするが、それを取り戻せるように何とかしていきたい」。

 今後については「従業員が安心、安定して働ける環境をつくることを特に心掛けて、2022年はそれをもう一歩二歩踏み出せるように頑張りたい」と前を向いた。

株式会社鳥光の代表取締役社長を務める真田益充さん(左)と、ラジオ関西の三上公也アナウンサー

※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2021年12月21日放送回より

◆鳥光 須磨本店
【公式HP】



2021年12月21日放送回…放送音声

 

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