【橋本】 確かに不気味な感じもありますが、かっこいいです! セリフの部分なんかすごく迫力と色気があって。
【中将】 歌う姿もすごくて「リング」の貞子ばりのアクションなんですよね。あまりのインパクトで、のちに志村けんさんのコントネタにされています(笑)。
【橋本】 つらい(笑)。
【中将】 美空さんは52歳という若さで他界し、ちあきさんは引退状態なのが悔やまれますが、次にご紹介する岩崎宏美さんは現在進行形で歌姫伝説を歩んでおられます。曲はいろいろありますが、セカンドシングルの「ロマンス」(1975)は聴くたびにすごいなぁと。
【橋本】 この曲は何度も聞いてますが、高校生でこんな歌い方ができてたってすごいことですよね。
【中将】 岩崎さんは小学校入学と同時に歌のレッスンを受け、1974年、中学3年の時には『スター誕生!』(日本テレビ)で最優秀賞を受賞しています。山口百恵さんや森昌子さんと同時期ですが、当時の歌唱力では段違いですね。
昭和から令和へ現在進行形の歌姫と言えば、高橋真梨子さんもいます。「高橋まり」名義でボーカルを務めたペドロ&カプリシャス「五番街のマリーへ」(1973)も名唱です。
【橋本】 小説を読んでいるように情景が浮かんできますね……。私も半熟BLOOD(※橋本がボーカルを務める音楽グループ)では歌詞を書くので思うんですが、最近の曲は「えっ、ここで息継ぎするんだ! ここでメロディー区切るんだ!」って不自然に感じちゃうこともあります。
今回はいろいろ聴かせていただきましたが、みなさん音程やリズムが確かなのはもちろん、歌詞の世界観に真摯に向き合ってるのが印象的でした。作詞家の方へのリスペクトがあったんだなぁって。
【中将】 どっちがいい悪いではありませんが、歌詞の世界観に没頭して、それをいかに表現するかという意欲は昭和の歌姫たちのほうが強かった気がしますね。