世界遺産・国宝姫路城で知られる兵庫・姫路市。その南西、瀬戸内海にある家島諸島は海の幸の宝庫だ。
このたび、関西の朝の顔としてテレビなどで活躍する気象予報士・防災士の正木明がパーソナリティを務めるラジオ番組『正木明の地球にいいこと』(ラジオ関西、月曜午後1時~、アシスタント:荻野恵美子)、7月4日放送回に、家島諸島・坊勢島(ぼうぜじま)の坊勢漁業協同組合(姫路市家島町坊勢)代表理事組合長・竹中太作さんが出演。漁業者が直面している問題と対策、また、旬のハモ漁についても語った。
家島諸島は、無人島を合わせた44もの島々で構成される。そのうち人が住んでいる4つの島のうちの1つが坊勢島だ。全国で漁船の数が最も多く、島民のほとんどが漁業関連に携わっている。
魚種も豊富。春はサワラ・アジ・サバ・ちりめん、夏はハモ・小エビ、秋はエビ・カニ、冬はカキ・のりなどがそれぞれ旬。一年中、新鮮な魚が捕れると竹中さんはいう。
そのようななか、近年の地球温暖化や栄養塩不足の問題で、漁獲量は全体的に減少。そこで同漁協では、原因の一つと目される「栄養塩」不足への対策として、海底耕運を実施しており、竹中さんによると、効果はあると見ているという。
くわえて、海底ごみ問題も深刻な状況に陥っているのだそう。そこで同漁協では、海底ごみの回収事業にも取り組んでいる。事業では、網にかかったごみを拾って姫路市指定のゴミ袋に収め、休みの日に陸上げする。ただ、それも今では、分解されたプラスチックごみが網に引っかかり、網自体も破れたり汚れたり…一日で網の目が埋まってしまうほどにさえなっていると、竹中さんは深刻な表情で語った。
さらには、釣り人のマナー問題も。竹中さんは「たくさんの方々に来ていただいている。島のために来てくださるのはありがたいが、マナーを守らず、ゴミも処理せず置いて帰られてしまうことも多い」と嘆く。
本土からのレジャー釣り客の中には、禁漁としている場所で釣りを行う者もいるという。魚を育てるためにと、県からの補助を受けて鹿島と三ツ頭島の2か所に設けた『大型魚礁』でのことだ。禁漁を破って侵入し、魚を釣っているケースが散見されるのだとか。情報を得て、注意しようと駆けつけるも、それまでに逃げてしまう場合もあるそう。「漁師たちが真剣に海や魚の環境を守っていることを理解してほしい」と、竹中さんは悲しみを込めて訴えた。
一方で、明るい話題もある。