どら焼き→奈良では三笠(みかさ)? 大きさで呼び方に変化? 「山の形に似ている説が有力」と地元菓子メーカー | ラジトピ ラジオ関西トピックス

どら焼き→奈良では三笠(みかさ)?  大きさで呼び方に変化? 「山の形に似ている説が有力」と地元菓子メーカー

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 関西、特に奈良県民ならにピンとくるお菓子「三笠(みかさ)」をご存知でしょうか。関東や九州など、他の地方ではこの名称に馴染みが薄いかもしれませんが、実は和菓子の「どら焼き」を指します。

一般的には「どら焼き」だが、奈良県では別の名称で呼ばれている……なぜ?

 国民的キャラクター『ドラえもん』の大好物としても有名などら焼きですが、奈良県を中心にした関西圏では、「三笠」もしくは「三笠焼き」と呼ばれ、菓子屋でもこの名称で販売している店が非常に多いのです。

 その名の由来とは? そして、どら焼きとの違いは? 奈良県で三笠を取り扱う「有限会社多口製菓」(奈良市法華寺町)に聞いてみました。

多口製菓では奈良県にまつわるお菓子を製造・販売する(提供=多口製菓)

 まずは三笠という名称の由来について質問すると……。

「生地をふんわり二つ折りにした形状が、春日大社の東側にある『花山』や『御蓋山(のちの三笠山)』の姿に似ていることから三笠焼きと呼ばれはじめたという説が有名です」(多口製菓)

「三笠焼き」という名前の由来になったとされる奈良県の三笠山

 そう言われてみれば、あんが詰まった独特のフォルムは、真ん中がこんもりと盛り上がった三笠山の形と似ているかも……?  ただし、どら焼きを三笠・三笠焼きと呼ぶようになった理由は諸説あるようで。「『編笠焼き』というお菓子の皮を厚く加工したものが三笠焼きとなった」とか「歌人・阿倍仲麻呂が詠んだ歌に登場する三笠の山にちなんでいる」という説も。

 そもそも「三笠」と「どら焼き」は同じものなのか……ということについて調べてみると、やはり“諸説あり”なのです。「片面焼きがどら焼き、両面焼きが三笠」「あんが見えているものがどら焼き、見えていないものが三笠」など説は多岐にわたります。

 多口製菓によれば、「どら焼きと三笠の違いは、厳密には存在しないと思う」とのこと。

 実際に多口製菓が販売している商品を見てみました。「神鹿物語(白鹿三笠)」「栗みかさ」と「つぶあんどら焼き」がラインナップしており、三笠とどら焼き、どちらの名称も使用しています。これはどういうことなのでしょうか?

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