兵庫県神戸市出身の放送作家・長﨑周成さん。地上波TVやNetflix Japan、CMなど、メディアを横断して活躍しています。また、フワちゃんをいち早く見出し、ともに立ち上げたYouTubeチャンネルは総登録者数100万人超え。芸人を目指した学生時代とAD経験を経て、現在は最注目の若手放送作家として活動の幅を広げています。
9月に刊行した初の著書『それぜんぶ企画になる。うしろだてのない放送作家が新しいエンタメで世を沸かす20の方法』(左右社)は、長﨑さんが売れるためにやったことを全部詰め込んだジョブ&エッセイ集。1冊を通し、「刺さる企画をつくる」「友だちと仕事する」の2つの軸が走っています。今回は、長﨑さんにコミュニケーションに関するインタビューを決行。本書のテーマでもある「友だちと仕事する」に重点を置き、話を聞きました。
◆先輩作家の「マイナスギャップあるよね」で気付いたこと
——長﨑さんは仕事柄たくさんの方とお会いすると思います。初対面の方と接するとき、どんなことを心がけていますか?
ちょっと打算的な言い方ですけど、“隙を見せる”ことですね。初対面ってお互いがノーデータだし、過剰に相手をいじるわけにはいかない。だから、「この人に対しては切り込んでも大丈夫」って姿勢を相手に示してあげてからスタートするのが良いと思っているんです。たとえば、僕の名刺は“おっぱい”のデザインなんですよ。名刺交換で相手が反応してくれたら、出会って5秒でアイスブレイク(緊張をほぐすこと)ができる。コミュニケーションのスタート地点を早く置くんです。
——目上の方と接するときも、同様のスタンスですか?
基本は変わらないですね。少しでも「なんだこいつ」と気になってもらうために、プラスで“生意気”要素を足すくらいです。たとえば、「この人最近これ言われてないやろな」みたいな、ちょっとだけ踏み込んだ話題を振ります。メガネとか些細なことを“褒めつつ突っかかる”感じですね。「そのメガネ素敵ですね~、どこのブランドですか?」まで言うと「媚び媚び」になるので、「あ、メガネかわいい」とか。それくらい一瞬軽く触れるなら、嫌な気持ちにはならないんじゃないかなと。もちろん、本当にかわいいと思っていないと嘘になるので、素早くそういったポイントに気づくようにしています。
——目上には普段は言われていないだろう些細なことを、ちょっとツッコむんですね。