そこで香りや配合する成分をさらに変えて、2020年にリニューアルした。その際、基本の軸となるバッファ効果は変えず、使用後に肌が引き締まる点を大事にした。
明色化粧品・商品企画担当の竹中恵子さんは「化粧品の口コミサイトでは、化粧水が上位になることは珍しいが、気付けば1位になっていた」と振り返る。と同時に「かつてはアイテム数が少なかったが、今は多種多様な商品があり、消費者の選択肢が増えている。女性にとっては嬉しい時代だが、化粧品を提供する立場では“気持ちをつかむ”商品を開発し続けなければならない」と気を引き締める。
さらに2022年9月には、一般の保湿系化粧水とは機能性で差をつけ、あえて「毛穴」という文言を用いて「ケアナボーテ」として継承された。
コロナ禍前の2019年、明色化粧品の調査では、女性の毛穴に関する悩みの中でも「黒ずみ」や「開き」に対する悩みが上位を占めたことが判明。 ウィズ・アフターコロナの時代には、 マスクを外し肌を露出する可能性が高まるため、 マスクを外したときの印象の違いに不安を感じる人が多く、 さらなる毛穴ケアが求められると予測される。
■新型コロナウイルス禍、販路が後押しした『美顔水』
こうした傾向を反映してか、近年、明色化粧品では『美顔水』の売れ行きが好調だ。明治からの超ロングセラー商品、コンスタントに売り上げていたが、2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、マスク着用による肌荒れやニキビに悩む人々が、店舗で『美顔水』を手に取る機会が増えた。想定の域を超え、売上は2019年と比べて約140%まで伸びた。最初の緊急事態宣言(2020年4月~5月)下でも、生活必需品を販売するために休業することがなかったドラッグストアが揺るがぬ販路となり、追い風になった。