「農作物を病気・カビから守る」「でも残留農薬は心配」 農薬と上手に向き合うには | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「農作物を病気・カビから守る」「でも残留農薬は心配」 農薬と上手に向き合うには

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 冬のおいしい鍋に欠かせない白菜や大根などの野菜。これらの農作物を作るときにも、肥料や農薬が大きな役割を果たしています。そうした農作物の残留農薬について検査活動を行っているコープ商品検査センターの中川義和さんに話を聞きました。

――そもそも、農薬とはどのようなものなのでしょうか?

【中川義和さん(以下、中川さん)】農薬は「農薬取締法」という法律で定められており、目的に応じて次の3つに分けられます。1つ目は、農作物を害する病害虫や雑草の駆除に用いる薬剤で、殺虫剤、殺菌剤、除草剤などが該当します。

2つ目は、果実や野菜が実をつけやすいようにするなど、植物の生理機能を調整する薬剤です。ちなみに種なしブドウを作るときは、ブドウの実が小さいうちに「ジベレリン」という液につけることで種をなくします。

――種なしブドウは食べやすいので人気ですね。

【中川さん】3つ目は、病害虫から農作物を守るために利用するテントウムシなどの「虫たち」です。病害虫の天敵なので、農薬に分類されるというわけです。

――そもそも、家庭菜園では種や苗を植えて、農薬を使わずに野菜や花を作ることが多いですよね。生産者が農薬を使うことには、何か理由があるのでしょうか?

【中川さん】病害虫の発生により作物が病気になることで、収穫量が減少し不安定になることや、虫食いによって品質が低下すること、カビが発生しカビ毒を産生することなどを防ぐためです。

――家庭菜園で育てたなすびやトマトが、虫や鳥に食べられたり、病気になってしまって収穫できなかったりするといった話はよく聞きます。無農薬での栽培は難しいことですね。とはいえ、農薬に対して「危険」「食べてはいけないもの」といったイメージを持つ人も多くいるように思います。

【中川さん】昭和初期には、農薬イコール毒物のイメージが定着するような事件や事故が多かったのですが、現在では、農薬取締法により国に登録された農薬だけが使用できるなど、大きくルールが変わってきています。

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