日々の暮らしの中で、「これは食べても大丈夫?」と一瞬悩んでしまうことはありませんか? そこで身近な食べ物に潜む疑問について、170万人の組合員がいるコープこうべで商品に関する問い合わせを受けているコープこうべ商品検査センターの羽田野達也さんに聞きました。
――コープこうべの商品検査の取り組みはいつからですか?
【羽田野達也さん(以下、羽田野さん)】コープこうべは、「安心して食べたい」「安全な商品がほしい」という組合員の声により、全国の生協で初となる商品検査室を1967年に開設、検査活動をスタートしました。日々、組合員から寄せられる問い合わせの調査も重要な役割の一つです。
――1年間で寄せられる商品に関する質問や苦情の数は?
【羽田野さん】2021年度は、商品検査センターに3441件の問い合わせが寄せられました。そのうち、1098件(約32パーセント)が「異物混入」に関するものでした。
――よく寄せられる質問にはどのような事例がありますか?
【羽田野さん】たとえば、「タラの切り身にミミズのような虫が入っていた」という事例です。
――ミミズのような虫とは、魚の寄生虫「アニサキス」のことでしょうか?
【羽田野さん】そのとおりです。アニサキスは、タラやサバ、アジ、サンマ、カツオ、イカなどの魚介類に住み着いている寄生虫です。アニサキスによる食中毒は、生鮮の魚介類を生(不十分な冷凍または加熱不足のものを含む)で食べることで、生きたアニサキスがその人の胃壁や腸壁に食いついて食中毒(アニサキス症)を引き起こします。