――どのように防げばよいのでしょうか?
【羽田野さん】アニサキスは寄生している魚介類が死んでから時間が経過すると、内臓から筋肉に移動することが知られているので、魚介類を生で食べる場合は新鮮な魚を選び、目視で十分確認して、アニサキスを除去する必要があります。また、アニサキスは加熱または冷凍で死滅するので、70度以上または60度なら1分の加熱、マイナス20度で24時間以上冷凍することにより予防することができます。なお、一般的な料理で使われる食酢での処理、塩漬け、しょうゆやわさびを付けるだけでは、アニサキスは死滅しないので注意が必要です。
――生で食べる場合は鮮度を重視し、目視で確認が必要。さらに、十分な加熱と冷凍が効果的ということですね。ほかにはどのような問い合わせが多いですか?
【羽田野さん】「バナナの果肉の真ん中に黒いものがある」という内容です。
――バナナの皮が黒くなっているのはよく見かけますが、果肉の真ん中が黒くなるというのは何が起きているのでしょうか?
【羽田野さん】「モキリオ病」という症状の影響を受けたものと考えられます。「モキリオ病」は、バナナの花が咲いたあと、花びらが落ちたところから雑菌が入ることで起き、果肉の中心が茶色や黒色に変色し、その部分が非常に硬くなります。
――真ん中が黒く、そして硬くなるということですが、食べてしまって大丈夫でしょうか?
【羽田野さん】味は苦くておいしくないですが、食べても健康に影響はありません。モキリオ病の影響を受けたバナナは、通常、果肉の成長が止まるので外見から判断して除去していますが、まれに外観から判断を行うことが難しいものがあります。
また、色に関するものでは「たまごの黄身の色がいつもと違う」という事例もよく寄せられます。