コープこうべ商品検査センターは、2022年に実施した「BDHQオンライン食習慣調査」の集計結果から「99パーセントの人が塩分を取りすぎている」という調査結果を明らかにしました。この結果に、専門家はあらためて減塩・節塩に取り組む必要性を指摘しています。そこで、コープこうべ商品検査センターの中川義和さんに話を聞きました。
――はじめに、今回の調査で採用した「BDHQ」という調査方法について教えてください。
【中川義和さん(以下、中川さん)】BDHQとは、東京大学の佐々木敏先生が考案し、栄養疫学研究で活用されている食習慣調査です。直近の1か月間に食べたものを思い出しながら80項目を入力し、ご自身の食習慣、つまり食べくせに気づいていただこうというものです。
――個々の栄養素やカラダに良いとされる成分が豊富に含まれる「食べ物」についての情報があふれていますが、どの栄養素をどの程度摂取できているのか(もしくは不足しているのか)、なかなかわかりにくいですよね。
【中川さん】このBDHQ食習慣調査でおおまかにでも自身の栄養摂取量を「はかって」、摂りすぎる栄養素や、反対に不足しがちな栄養素を知るきっかけづくりとして活用してもらおうと、コープこうべでは組合員に参加いただいています。今回で4回目の実施となりましたが、応募人数はこれまでで一番多い2476人でした。
――気になる結果はどうだったのでしょうか?
【中川さん】応募者のうち、1789人の調査結果がまとまりました。各栄養素別の結果は、厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」と比較して、「赤色(栄養素の摂取が多いまたは少ないため改善が必要)」・「黄色(やや多いまたはやや少ないため注意が必要)」・「青色(このまま維持)」の3色で示されます。そして、今回の結果でも食塩の摂取量は「赤(多い)」の人が91パーセント、「黄色(やや多い)」の人が8パーセントで、99パーセントの人が摂りすぎという結果になりました。
――「青色(このまま維持)」の食塩摂取量が問題ない人は、全体の1パーセントとのことですが、食塩の目標量はどれくらいでしょうか?