国宝・三十三間堂(京都市東山区)で3日、恒例の「春桃会(しゅんとうえ)」が開かれた。
“桃の節句” 春桃会は、三十三間堂の名にちなみ、三の重なる三月三日に行われる法会。この日は無料開放され、華道家元・池坊の献華やいけばな展が催される。(※記事中の写真は許可を得て撮影しています)
参拝者は、1001体の千体観音像を特設の高壇「東風壇(こちだん)」から遥拝(ようはい・遠くから拝礼すること)した。
また、この日限定で女性専用の「桃のお守り」も授与された。
三十三間堂の春桃会は、2019(令和元)年まで故・瀬戸内寂聴さん(2021年11月死去)の「青空説法」で知られた。100メートルある本堂正面にせり出した舞台に、多くの人が集まっていた。
三十三間堂を管轄する妙法院門跡の杉谷義純(ぎじゅん)門主が、寂聴さんの兄弟子という縁で、2004年の新潟県中越地震の義援金募金のために、同年12月に始まったという。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020(令和2)年は法要と献華のみ行われ、青空説法は開催されなかったが、参拝者は広々とした屋外の広場から舞台を見ることができ、“密”になることがないため、2021(令和3)年からは狂言や筑前琵琶などが奉納された。
今年(2023年)は、落語家で僧侶の露の団姫(まるこ)さんの法話と落語があり、三十三間堂では、今後も参拝者に楽しんでもらえるスペースとして活用したいとしている。