毒は人間とのかかわりも深い。昔から狩猟や戦などで毒を用いたほか、毒を研究することで薬を生み出してきた。殺虫剤や虫よけも、植物が持つ毒を利用している。長谷川学芸員は「植物の毒がなければ、初期の人間は狩りができなかった。人間と毒の関係は切っても切り離せず、人はうまく利用しながら生きている」と話す。
一方で、最近問題になっているマイクロプラスチック。人間が作った毒とも言われ、マイクロプラスチックを飲み込んだプランクトンの写真が展示されている。長谷川学芸員は「マイクロプラスチックは海の海面、海中、海底のどこにでもある。人間への影響はよくわかっていないが、考えると怖い」という。
身の回りには多くの毒が存在する。そして人間の活動が新たな毒を生み出している。毒とは何かー考えるきっかけになれば、としている。
特別展「毒」
2023年3月18日(土)~5月28日(日)
大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階)
(大阪市東住吉区長居公園1-23)
休館日 月曜日 (ただし5月1日はのぞく)