「だんじり祭り」で有名な大阪・岸和田に『コーヒーランド』と呼ばれる名物フードがあるのをご存知でしょうか。岸和田といえば、水ナスや温州みかんなどの野菜や果物のほか港が近いため新鮮な魚が有名なイメージがありますが、はたしてコーヒーランドとは一体……?
そこでコーヒーランドを製造・販売している「永月堂」(直売店:岸和田市北町)に話を聞いてみることに。
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永月堂は1855年(安政2年)、和菓子屋として創業しました。岸和田藩が一帯を治めていた江戸時代に創業した同店ですが、昭和に入ってからはパン販売を開始。和歌山県産のミカンジュースを練り込んだ丸いパン『みかんまる』をはじめとし、昔ながらのどこか懐かしいパンがラインナップしています。
そんな同店の看板メニューこそがコーヒーランドなのです。
「コーヒーランドとは、フランスパンにコーヒークリームを挟んだ商品。おいしさのポイントは、水と塩だけを使い堅めに仕上げた素朴な塩焼きパンです。噛めば噛むほど、パンの絶妙な塩加減とコーヒクリームの甘さが重なっていきます」(永月堂)
基本的にネット販売などはおこなっておらず、岸和田にある永月堂直売店や岸和田サービスエリア、スーパーなど限られた場所だけで販売されています。当初は喫茶店メニューとして誕生し、販売はされていなかったそう。
「観光ガイドをしておられたお客さまがコーヒーランドを非常に気に入ってくださいました。その方が観光バスでコーヒーのお供として注文いただいたのがきっかけとなり、サービスエリアやスーパーなどでも販売するようになったんです」(永月堂)