美容・健康に良いとして、数年前からブームが続いている「甘酒」。冬のイメージがありますが、実は江戸時代には暑い夏場によく飲まれており、俳句の現代季語辞典にも夏の季語として記されるなど、“夏の飲み物”の定番だったといいます。江戸幕府が、その体力回復効果を認めて販売価格の上限を定め、病人や、栄養のとりにくい貧しい人にも購入しやすくしていたという記録まであるそうです。
そこで今回は「甘酒の夏バテ防止効果」について、米糀甘酒の販売を行う、日本盛株式会社(兵庫県・西宮市)通販事業部・食品担当の小出直也さんに話を聞きました。飲むだけでなく、料理にも簡単に甘酒を取り入れられる、アレンジレシピもご紹介します。
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――甘酒にはアルコールを含むものと、ノンアルコールのものがありますが、両者の違いについて教えてください。
【日本盛株式会社 通販事業部 食品担当 小出 直也さん(以下、小出さん)】 甘酒には大きく分けて2つの種類があります。それぞれ製造方法や、味も異なります。
1)米糀(こめこうじ)から造る甘酒
砂糖不使用で、米に麴菌をつけて発酵させてうまれた自然の甘みが特長です。ノンアルコールなので、お子様でも安心してお飲みいただけます。
2)酒粕(さけかす)に砂糖を加えて造る甘酒
酒粕に砂糖を加えて造るため、若干のアルコールを含みます。酒粕特有の風味と砂糖の甘みが昔懐かしい味です。
――江戸時代には夏の栄養ドリンクとして飲まれていたようですが、実際に甘酒には夏バテ防止になるような栄養素が含まれているのでしょうか?
【小出さん】 甘酒には、アミノ酸、ビタミンB群、ブドウ糖やオリゴ糖、食物繊維などが含まれており、その栄養価の高さが「飲む点滴」とも呼ばれるゆえんです。
アミノ酸には免疫力をアップしてくれる効果が、そしてブドウ糖やビタミンB群には疲労回復効果があります。江戸時代は栄養事情もよくなかったため、米糀の甘酒であれば老若男女問わず飲め、夏バテ防止ドリンクとしては最適だったと思います。
江戸時代は冷蔵庫もなかったので、暑い夏を乗り切るには熱い飲み物を飲んで汗をかくというのが暑さ対策だったこともあるのでしょう。
――甘酒を摂取する場合の、摂取量の目安などを教えてください。