お肉をゆでると茶色いモコモコとしたアクが出ますが、その正体はいったい何なのか? アクが出にくい調理ポイントとあわせて、NPO法人はみんぐ南河内の管理栄養士・時岡奈穂子さんに話を聞きました。
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◆そもそも「アク」って何?
食材を切ったり加熱することで肉や野菜の細胞内に閉じ込められていた成分が出てくるのですが、そのなかで味や色を悪くするものを「アク」と呼ぶのだそう。肉をゆでたときに出る茶色いモコモコの正体は、肉に含まれるタンパク質や脂が加熱によって固まり浮いてきたものです。
◆アクがたくさん出る肉とそうでない肉の違い
アクの量に差があるのは、肉の種類によってタンパク質や脂の多さが異なるから。なかでも、イノシシなどの野生のジビエは筋肉質でタンパク質が多いため、アクも出やすいと考えられています。
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◆アクは食べてもいいの?
「上質なお肉のアクはうまみだから捨てるのはもったいない」という人もいますが、実際に食べてもいいのか気になるところ。時岡さんいわく、もともと肉に含まれていた成分であり、加熱されたことでアクとして出ているだけなので食べても問題ないのだそう。ただ、見た目や口当たりがよくないため、取りのぞく人がほとんどです。
ちなみに、お鍋のアクがおいしくないのは、肉のアクに野菜のえぐみなどが混じるから。試しに豚肉だけをゆでたアクを食べてみたところ、多少油っこいものの、えぐみなどはほぼ感じませんでした。
◆アクをとる理由
やはり、見た目や口当たりなどをよくすることが一番の理由。「料理は見た目が8割」といわれているように食欲をも左右するそうで、仕上がりを整えるという意味でもアク取りは大切です。
◆おいしいアクもある!?
エスプレッソの「クレマ(液面に浮かぶきめ細かい泡)」も、大きくはアクと同じ成分に分類されるのだとか。私たちは、口当たりや良いにがみとしてアクを楽しんでいます。
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