ザ・昭和ワード“アベック”が商品名 熊本名物の即席ラーメンとは? スープの作り方にもこだわりアリ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ザ・昭和ワード“アベック”が商品名 熊本名物の即席ラーメンとは? スープの作り方にもこだわりアリ

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 九州で有名なラーメンといえば“とんこつラーメン”。全国に名を轟かせる有名店から地元の老舗店まで多くの店がしのぎを削っていますが、即席ラーメンにもご当地ならではのものがあるということをご存知でしょうか? 今回注目したのは、熊本県の『アベックラーメン』です。

 近頃ではめっきり聞かなくなったワード「アベック」を冠するこのラーメン。はたしてどういったものなのでしょうか。販売元の『五木食品株式会社』(所在地:熊本市南区)に、その由来を聞いてみました。

1960年発売の即席ラーメン『アベックラーメン』(提供=五木食品株式会社)

 1878年(明治11)、熊本市で創業した同社。社名の「五木」は熊本県の南にある「五木村」から取っています。五木村といえば、朝・夕は冷え込み、日中の温度が上昇する環境ということで、おいしいそばが食べられる“そばの聖地”として知られている土地。創業時から麺にこだわっている同社ならではの社名です。アベックラーメン は1960年(昭和35)に「九州人好みの味でラーメンを作れば、きっと喜ばれるだろう」という当時の社長の思いから棒状の即席ラーメンとして誕生しました。

「ラーメンの内容量は、ちょうど2人前分。そこで“カップル”や“男女2人”を意味する当時の流行語・アベックから名付けられました」(五木食品株式会社)

『アベックラーメン』はアレンジがしやすい棒ラーメン(イメージ)

 あっさりとした塩味に香辛料が効いた味付けが、当初の狙い通り九州人に広く受け入れられ、アベックラーメンは瞬く間に九州のソウルフードとして定着していきます。

 60年以上の歴史を持つアベックラーメンですが、パッケージの形やデザインが変更されている以外は発売当時から味や製法が変わっていないそう。それが「昔ながらの味」として、長く親しまれている理由なのかもしれません。

家庭で作るため、スープの濃さなども計算されている(イメージ)

 アベックラーメンは、通常の食べ方以外にも冷やしラーメンやちゃんぽん、焼きそばなどにもアレンジ可能。よりおいしい食べ方を聞いてみると、「スープは別湯で作らず、麵を茹でた鍋に溶かしてください。麺にも塩が使われており、その塩分も計算したスープになっているのです。スープと麺を別々に作ってしまうと味が薄まってしまうのでご注意を」とのことでした。

☆☆☆☆ 
 
 九州のみならず、全国の即席ラーメンまで興味を広げてみるとおもしろいかもしれませんね!
 
(取材・文=つちだ四郎)

◆五木食品株式会社
861-4201熊本県熊本市南区城南町坂野 945
0964-28-7000
公式ホームページ

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