『スター誕生!』(日本テレビ)からの鮮烈な歌手デビュー後、作詞家として活躍し、ものまねタレントとしてブレイク……特異な才能で昭和の芸能界を駆け抜けた、篠塚満由美さん。家族の介護や自身の闘病のため、しばらく第一線での活動から遠ざかっていた彼女ですが、このたびニューシングルを携えカムバックしました! その篠塚さんは9月に行われたラジオ公開収録イベントに出演し、シンガーソングライター・音楽評論家の中将タカノリ、シンガーソングライター・TikTokerの橋本菜津美とともに、濃密な昭和芸能トークを展開しました。
(※ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』2023年10月6日放送回より。公開収録は、2023年9月24日に兵庫県川西市の「Cafe&Live Space 露依楼囲」で実施)
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【中将タカノリ(以下「中将」)】 篠塚さんは今年がデビュー50周年なんですね?
【篠塚満由美(以下「篠塚」)】 はい、今年の5月25日でちょうど50年です。THE ALFEEや所ジョージさんなど、同期は個性的な人が多いです(笑)。
【橋本菜津美(以下「橋本」)】 わっ! 確かに(笑)。
【中将】 篠塚さんと言えば『スター誕生!』第8回決戦大会のグランドチャンピオンですが、どんな経緯で出場されたのでしょうか?
【篠塚】 話せば長くなるのですが……私、高校に入って学級委員に選ばれてしまったんですよ。すると少しクラスメイトの中で浮いてしまって、お昼休みは屋上で食べるようになったんですが、そこでギターを弾く女性の先輩と出会うんです。彼女に「今度の学園祭でフォークやろうよ」と誘われて、音楽を始めることになるんですね。
【橋本】 まるで学園漫画みたいな展開ですね!
【篠塚】 そうなんですが、それを親に言い出せなくて、「ブルーチップ・スタンプ」というクーポンみたいなものをかき集めてギターと交換して、学園祭に出演したんです。すると、もう音楽のとりこに! バンドを結成して、はじめは簡単なフォークやグループサウンズだったけど、そのうち外国の曲もやり始めました。
【橋本】 その活動が『スター誕生!』につながっていくんですね。
【篠塚】 はい。父に「一生これでやっていきたい」と打ち明けたところ、「何かタイトルを取れたら許してやる」と言われました。そのうち、母が、近所に住んでおられた横森良造先生のお母さまから「うちの息子がオーディション番組でアコーディオンを弾いてるよ」と聞いてきて、『スター誕生!』に出場することになったんです。