ケチャップを使った洋食といえば「ナポリタン」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。老若男女多くの人に愛され、洋食店や喫茶店では定番メニューとして長年日本人に愛されていますよね。洋食の代表格として扱われる事も多いナポリタン、諸説ありますが日本発祥の料理だといいます。
「発祥の店」の一つとして考えれている『ホテルニューグランド(横浜)』営業企画部の横山さんに話を聞きました。
なぜ日本でナポリタンが生まれたのでしょうか。
それには戦後日本に来軍したGHQの存在がありました。ホテルニューグランドは1945年8月から1952年までの間、GHQ将校の宿舎として接収。その際にホテルには軍用食としてアメリカから多くのスパゲッティとケチャップが持ち込まれ、米兵たちはそれらを塩・胡椒で炒めて食べていたそう。
GHQの接収解除後、ホテルには米兵が残した大量のスパゲッティが残されており、その残されたスパゲッティを使って「何かメニューに使用できないか、ただ、ケチャップではなんとも味気ない」と当時の2代目総料理長入江茂忠(いりえしげただ)は考え、生のトマト・水煮のトマト・トマトペーストを使用した野菜の風味豊かなオリジナルソースを創作し「スパゲッティナポリタン」として提供を開始。この料理には一切ケチャップは使われておらず、麺は茹で置きにし、モチモチとした食感にすることでソースとよく絡み、なによりお米やうどんなどを好む日本人の口にも合うように工夫されているそうです。
また横山さんによると、横浜は開港時から諸外国の文化を受け入れ、日々の生活に積極的に取り入れて生活していた。そんなハマっ子ならではの柔軟性のある考え方や発想は、当時ナポリタンが誕生した背景に少なからず関係しているのでは、とのこと。
同ホテルは「プリン・ア・ラ・モード」や「シーフードドリア」の発祥の地でもあり、シーフードドリアを考案した初代総料理長サリー・ワイルが日本にはじめて来た日である10月29日は「ドリアの日」となっているそうです。