世界三大料理「フランス・中国・トルコ」なのはナゼ? 日本料理が該当しない理由とは? 有識者に聞く | ラジトピ ラジオ関西トピックス

世界三大料理「フランス・中国・トルコ」なのはナゼ? 日本料理が該当しない理由とは? 有識者に聞く

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「世界三大美女」や「世界三大秘宝」など世の中には“世界三大○○”が数多く存在します。これらにはしっかりと根拠があるモノもあれば、いつの間にか通説になっていた……というモノも。

 そこで、今回は“世界三大料理”に着目。この場合における三大がなぜ「フランス料理」「中国料理」「トルコ料理」なのか、立命館大学・食マネジメント学部の南直人教授に話を聞きました。

世界三大料理のひとつ「中国料理」

◆世界三大料理はそもそもどういった基準で決まったのか?

 南教授によると「いつ、どこで、だれが言い出したのか、その理由もはっきりと分かっている訳ではない」とのこと。しかし、この質問に答えるにあたり最も説得力を感じるのは、東京大学の鈴木薫先生の「三大料理というのは、地球上のいくつかの大文化圏の食文化の代表という形で選ばれることになる」という論説と語ります。

 この論説の中で鈴木先生はローマ文字圏、ギリシャ・キリル文字圏、アラビア文字圏、漢字圏などそれぞれの地域で文化が生まれ、それと同時に料理も進化したと前置き。その上で▼ローマ字圏の代表「フランス料理」▼漢字圏の代表「中国料理」▼アラビア文字圏やその他の地域の代表「トルコ料理」が挙げられるようになったと推測しています。

ローマ字圏の代表「フランス料理」

◆なぜ日本料理やイタリア料理は“三大”の中に入らなかったのか?

これについて南教授は「世界の三大料理は全て『宮廷料理』から派生している事が“重要な要素”であると考えられるため、日本料理やイタリア料理はふさわしくないとされている」と言います。つまり、世界三大料理は大帝国の“権力者のための料理”であり、当時はそれぞれの国の最高峰の食材・料理人たちによって確立され、その後の国の事情や年月が経つ事によって体系化されてきたものを指すとのこと。

【フランス料理】フランス革命前の17世紀ごろまでの宮廷で出されていたものが元となり、19~20世紀になりミシュランを代表とするような“観光”と“美食”が結びつく事で、国内の様々な地方料理を元々あった体系に取り込み、さらに進化していった。

【中国料理】今から1000年ほど前の「宋」の時代に、中華鍋やコークスの使用が一般に普及したことにより、高温でいっきに炒められるようになった事が決定打。その後の異民族支配などの長い歴史の中で中国内の各地域の料理が融合し“火”を使った料理が宮廷で発展し「中国料理」として体系が出来上がった。

【トルコ料理】オスマン帝国の時代、ヨーロッパの一部を始め、地中海・北アフリカ・西アジアの方まで広く領土を拡大する中、様々な系統の食材・地方料理のノウハウが宮廷に集まり独自の発展を遂げた。

時の権力者にふるまわれた宮廷料理が「世界三大料理」へと進化した?
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